パフェを食べる行為というのは意外とハードルが高いのです。まず開店前から50人近くが並ぶ人気店もあれば、対応しきれなくて、完全予約制になったお店もあるし、だいたい土日は行列が出来ます。なのに、その土日限定の特別メニューのパフェも登場するし、季節のフルーツを使うので、入荷量によって売り切れてしまう事も。人気のお店は「よし!行くぞ」という覚悟と計画性を持って行かなければ、ありつけない事もあるのです。
さらにインスタ映えで人気のお店は、バラの壁紙などメルヘンな内装で、「可愛くイチゴを撮りたい」と目を輝かせる女子でいっぱい。そんな中に、単騎突入するオジサンの覚悟たるや。好奇の目にさらされる、パフェ羞恥プレイが始まります。
女の子達がパフェを撮ろうとした時、黙々と食べているオジサンが映り込み「チェッ」と心の中で舌打ちされて、ソッコー削除で撮り直しという、お店に入る前から被害妄想が頭の中を渦巻きます。
そんな高いハードルをある程度かわせるのが、平日の夕方です。午後3時〜4時ぐらいは、各お店ともお客の入りは少なく、すっと入れる事も多いので、仕事が早く終わった平日にパフェめぐりに行くようにしています。西武池袋の7階にあるカフェコムサも、この時間帯は空いていました。
ちなみに西武池袋は8階が飲食店街なのですが、7階に降りてもお店が見当たりません。やっとフロアマップが見つかったので確認してみると、PARCOとのつなぎ目の方面に。
頂いたのは「いちごモンブランのパフェ」1500円。
最近、海外のミュージシャンがカセットテープでアルバムをリリースする事が増えているのですが、それはサブスクやCDのように、曲を簡単にスキップして聴けないので、アルバムに並べられた曲順で聞いて貰える確率が高いからだそうです。
このパフェというのも、並列に盛られたプリンアラモードとは違い、上から順番に食べて行かなければならず、それを考慮した制作者の意図が込められている事の多い食べ物です。特にパティスリー系の場合。
グラスの上部には、たっぷりのイチゴと栗。その下には花の形のモンブランクリームが。イチゴが多いので先に手前半分だけ食べて掘り進めてみるとモンブランの下は生クリームで、モンブランケーキのようなゾーン。
濃厚なモンブランには、酸味を合わせて味変する事が多いのですが、こちらではその下にストロベリーシャーベットが仕込まれてありました。
その後、食感を変える薄焼きクレープのフィヤンティーヌがサクサクと。中に薄くスライスされたアーモンドが入っていて、香ばしさも口の中に広がります。アレルギー表示を見たら、卵、乳、小麦、アーモンドとなっていたので、間違いないと思います。
最後に再びイチゴでフィニッシュ!
こうして、作者の意図を考えながら食べるパフェは、1つの物語のようだと例えるマニアも多いです。パフェのテストがあったら、「モンブランの下にストロベリーシャーベットを隠しておいた、作者の意図は何でしょう」という問題も出題されるかもしれませんね。
■カフェ コムサ 池袋西武店
■東京都豊島区南池袋1-28-1 西武池袋本店 本館7階
■営業:
10:00~21:00(月〜土)
10:00~20:00(日祝)
■定休日:西武に準じる
■場所はこのへん
■お店のサイト