富士登山

富士登山

昨年に引き続き、今年も富士登山に行ってきました。
登るたびに多くの「なぜ富士山に登るのか?」という質問を投げかけられるのですが、
僕の答えはいつも同じ、それは「楽しいから」。

なんでこんな事を書くかというと、
質問者の多くが「辛かった〜二度と登りたくない」という答えを期待しているようで、
「辛かった〜」という答えが出るまで、執拗に誘導尋問をしてくるから。
正直、メンドクセー。

「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるからさ」という名言があるけれど、
きっと同じような気持ちから生まれたんじゃないかと思うのです。

僕が勝手に思ってるだけだけど。

雲海

初めて登った人がまず感激するのが、雲海です。
こんなに間近で見られる雲の姿。そして迫力。

雲の中というのは、小雨状態で、その中を突き抜けて来る訳ですから、
さっきまでは憎っくき雨の生みの親だったのに、
それを通り過ぎてしまうと、その苦労を忘れて
「わー!きれい」という感嘆の言葉しか出てきません。

そのぐらいの大迫力。

7合目

とはいえ、ずーっとそんな美しい風景を見ながらという訳ではありません。
登っている最中に見ているのは、ほぼずーっと足もと。
足もとを見ながらコツコツ登ったご褒美に、
休憩の時に素晴らしい風景が待っているという感じ。

アメとムチというか、ツンデレというか。

山小屋

たぶん、観光地の風光明媚な展望台に行っても、
5分間同じ場所に座って、同じ風景を見続けたら
さすがに退屈になるという人も多いんじゃないかと思います。

登山の場合は、「疲れて動きたくない」という欲求と
「ずーっとみてたいぐらいキレイ」という風景がシンクロして、
皆が風景に見入るのだと思います。

普通に飲むビールと、風呂上がりで水分を欲している時に飲むビール、
同じ物なのに旨さが違うのと、同じ感じ。
まあ、たとえが随分、安っぽいですけど。

夕暮れ

朝焼?って聞かれるけど、夕焼けの写真。
昼過ぎから登って、その日泊まる8合目の山小屋に着くのは、ちょうど夕方。
早めの御飯を食べ終わったぐらいで表に出てみると、こんな夕焼けが。

星空

そこから早めの仮眠をするのですが、この日は眠れなかったので、
23時ぐらいに起き出して、星空を撮ってみました。

肉眼で星空は見えるのですが、デジカメだと真っ暗で写らないので、
ブレないようにベンチにカメラを置いて、シャッタースピードを遅くしてみました。
モニターも覗かずにだいたいの勘で撮った星空。
だから人に言われるまで気がつかなかったのですが、
ちょうど写っていたのは北斗七星。

奇跡の一枚。

そういえば、ちょうどこの後、富士山で震度5弱の地震に見舞われるのでした。
怖かった〜。

剣が峰

そして翌日、山頂についた後は、火口を一周するお鉢めぐりで、
日本最高峰の現場、剣ヶ峰から御来光待ち。

もうすぐ…というあたりで、何度も山頂が霧に覆われ、
もしかして、見られないんじゃないかとヒヤヒヤ。
どんだけドSなんだよ!富士山プレイ。

御来光

さんざんジラされた後、
ちょうど御来光の時間に、舞台の幕が開くかのように、霧が晴れ渡りました。

泣いて、笑って、夢を見て。
ちくしょう、憎い演出するぎぜ!富士山劇場!

またくるぜ!とか言いたくなるじゃないか。

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自転車人

久々にいい雑誌に巡り会ったので、ちょっとご紹介したいと思います。

今週、雑誌「ぴあ」の最終号が発売され、39年の歴史に幕を下ろし休刊する事になりました。
電子ブックの事が話題になるたびに、紙媒体は電子とは違うと言われますが、
ドライな利用者からすれば、ネットの方がより情報は早く無料という事は否定できません。
残念な事に、こうした名物誌達も、次々に休刊、廃刊に追い込まれてしまっています。

なのに、どうしてこの本は、お金を出して買いたいと思ったのか。
それは、それぞれの記事に、担当者の思い入れが溢れていたからです。

まず、開いた所から驚き。
10ページにわたり、折りたたみ自転車プロンプトンの広告。
右5ページを使い、折りたたみ自転車が組み立てられる様子が、
パラパラ漫画のように構成されていて、
反対側の5ページは、写真とポエムのような構成。
10ページを使って「折りたたみ自転車を使って旅をしたら素敵」
という世界観が作られているのです。

安いタイアップ記事全盛の中で、こんなアイディア広告、
最近、お目にかかった事がありません。
まずそこで掴まれまれました。

特集は、それぞれが好きな自転車道という切り口で、
バランスを取った構成ではなく、本当に好きという方の比重が高く、
ライターの皆さんの文章の熱が違います。

その他も「自転車が好き」という共通の意思を持ちながら、
漫画やAV監督の目線というサブカル的な切り口あり、
原発のある風景を自転車という切り口で捉えたジャーナリスティックな視点、
いろいろな見方があって面白い。

自転車雑誌やムック本は、ほぼ全部チェックしているけれど、
大きく分けると、レースがメインのもの、カタログ的な物、初心者向けの物
この3つに分かれ、内容も毎号似たり寄ったりだったりするのだけど、
この本は、かなり「好き」「趣味」という視点で割り切って
好き勝手やっている所が、逆に自転車心をくすぐられました。

自転車に対する愛に溢れているんだなあ。

まあ僕が熱弁したところで、そんなに自転車好きではない人にとっては、
手にとってみても、それほど響かないかもしれません。
でも、自転車好きの方なら、ぜひ手にとって見て欲しい一冊。
たぶん、どこかのページでツボをつかれると思います。

夏号という事なので季刊誌ぽいのですが、だからこそ出来る技なのかな?
こういうカラーの本だからエイ出版かな?と思ったのですが、山と渓谷社でした。

テレビもラジオも紙媒体も、いつのまにやらルーティンと、
その業界のしがらみと、お約束に漬かってしまい、
「好きだからやりたい」という原点が失われている気がします。

やっぱり原点は「好き」というパワーなんだよなあ。
忘れてたな。
そういう意味では、自転車という要素に限らず、
自分のクリエイティブな部分も、悔しく思える感じで刺激されたのでした。

ラジオのアイディアも、いろいろ湧いてきたぞ…!

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