ポテリ(八坂)

千川通り

「急がばまわれ」ということわざは、実は琵琶湖で出来た物なんだそうです。

室町時代の連歌師宗長が詠んだ

「もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」

…という歌から広まった言葉と言われています。

東海道の草津宿から大津宿を抜けて京都へ向かうのに、
矢橋から船で琵琶湖を横断するルートは短いけど、
比叡山から吹き下ろす突風で舟が転覆するなど、危険なコースなので、
瀬田の大橋(唐橋)から、琵琶湖をぐるっとまわっていく方が、結果安全。

という意味です。

これと同様に、練馬方面から西へ向かう場合。

「自転車で、新青梅の道、早けれど、急がばまわれ、千川通り」

という歌を詠んでみたいと思います。

練馬区に住んでいるせいもあって、西へ遠征する場合、
比較的真っ直ぐに西へと延びる新青梅街道を使うという人が、周りにも多いのですが、
この道路、自転車乗りにはすこぶる評判の悪い道。

交通量は多いのに道幅に余裕がなく、車が歩道ギリギリを走る。
街道にホームセンターや量販店が多く、車の出入り待ちが多い。
道の風景が単調で、あまり変わらない。
など、危険度が高い上に、走っても余り楽しくないという感想を持つ人が多いようです。

そこで、オススメなのが、少し遠回りになるのですが、
千川通りから五日市街道に抜けるコース。

何と言っても、車が新青梅の半分以下。
しかも千川上水に沿って走っているので、緑が多く気持ちがいい。

千川上水

練馬や江古田など千川通りの下流の方では、
川が暗渠化されて、地中に埋められてしまい、
その歩道の下に川がある事すら知らない人が多いのですが、
上流の方は、まだ埋められていなく、昔の姿のままで流れています。

新青梅は、距離や時間は短いのだけど、ストレスが多く、時間が長く感じるのに対し、
千川通りから五日市街道は、走っていて気持ちもよく、
景色を楽しんでいる間に、あっという間についてしまうという感じです。

サイクリングロード入り口

五日市街道と井の頭通りがぶつかる、武蔵野市関前五丁目交差点。
ここから、多摩湖へと向かう、多摩湖自転車道に乗ることが出来ます。

場所はこのへん

多摩湖自転車道

今度は、自動車が少ないどころか、いません。
自転車専用(歩行者はいるけど)なので安全で、これが、いかに精神的に楽か。
ほぼストレスフリーです。

「くり、あります」の看板に、脱力、そしてなごみ。

車止め

車が入ってこないように、横道があるたびに車止めがあり、
その都度、S字にクランクして抜けなければいけないのですが、
ストレスといえば、このぐらいです。
まあ、たいしたことありません。

おまんじゅう屋さん

それよりも、道端におまんじゅう屋さんがいたり、
野菜を売っていたりして、そちらを覗いて走るのが楽しいです。

ポテリ

さて、西武新宿線の八坂駅付近で、多摩湖自転車道からちょっと外れて寄り道。
自転車道から見て駅の裏手にあるのが、小川沿いのカフェ「ポテリ」。
可愛いレンガの橋を渡ってお店に入ります。
なんか、ヨーロッパっぽい。

メニュー

お店の前の看板を見て、この時点でメニュー決定!

店内

カントリー調の可愛らしい店内。
手作りアクセサリーなども売られています。

カレーセット

選んだチキンカレーは、サラダ、ドリンク付きで950円。
ドリンクがホットではなく、アイスだとプラス50円。
少しサラリとした感じで、優しい味。
刺激的というよりは、ホッと出来る味です。
サイクリングでのんびり一休みという時にピッタリな感じ。

アイスティー

アイスティーを頂きながら、窓の下を流れる小川を眺め、またのんびり。

…いけない、いけない!ちょいと休みすぎました。
さあ、出発!

■cafe PoTeRi(カフェ・ポテリ)
■東村山市栄町3-18-22
■営業:10:00~19:00
■定休日:水曜(不定休あり)
場所はこのへん

お店のブログ

東村山駅

♪東村山〜庭先きゃ、多摩湖〜
 狭山、茶所、情けが厚い
 東村山4丁目〜

東村山4丁目とか、一丁目という住所を探そうかと思ったのですが
実際にはそういう地名は存在しないそうなので、スルー。

北山公園

東村山市の北側に位置する北山公園にやって来ました。
6月の上旬には花菖蒲が一面に咲き、観光客で賑わう場所ですが、今は人もまばら。

なぜ、こんな季節外れに訪れたかというと、
実は、今回の目的地は、後ろに見える山の方なのです。
山の名前は八国山。
ここでピンと来た方は、アニメファン。いやジブリファン。
そう、「となりのトトロ」に出てくる
七国山のモデルとなったと言われている場所なのです。

という訳で今回の裏テーマは「トトロゆかりの地」めぐり。

新山手病院

「となりのトトロ」で、サツキとメイのお母さんは、
七国山病院に結核で入院していたのですが、
そのモデルとなったと言われているのが、新山手病院です。
実際にこちらも結核の治療にあたっている病院である事から、そう推測されています。

東京白十字病院

ただ、実際に現地に足を運んでみると、
そのお隣にある、東京白十字病院がモデルなんじゃないかと思ったりします。

広場

この病院の右手脇から、裏の八国山に登る通路があって、
尾根道を歩く、散策コースへと繋がっているのですが、
その登り口に、小さな広場があります。
その広場から見える東京白十字病院がこちら!

裏山から

どうです?
サツキとメイがネコバスに連れてきて貰って、
裏山の木の上から、入院しているお母さんを見に来たシーン。
あれに似ていると思いませんか?

八国山を七国山のモデルとする時に、
当然、ロケハンをしたでしょうから、となるとこの道も通ったと思われます。
山の入り口ですから、同様に、パチリと写真を撮っていてもおかしくない場所です。

設定上は、新山手病院の結核を使い、
風景の参考に、こちらの東京白十字病院を使った
…と個人的に推測してみたりするのですが、はたしてどうでしょう?

尾根道

八国山の尾根道を歩いてみました。

森のトンネル

森のトンネルや…

分かれ道

不思議なダンジョンのように、どちらか一方がトトロの所に続いてそうな、分かれ道。

こういう所がまだ東京に残っていたんだなと、しみじみ。
考えてみれば、近所にはこういう自然を感じられる場所ってないなあ。

古い家

次の場所に移動する途中、サツキとメイが住んでてもおかしくなさそうな家を発見!
家の手前にある大きなお釜は、使われなくなった五右衛門風呂でしょうか?

梅岩寺

続いては、東京都の天然記念物に指定されている大けやきと、
東村山市の天然記念物に指定されているカヤの木が門の脇に並んでいる、梅岩寺へ。

木の根

一応、トトロが出てきそうな木の穴を探してみました。

井戸

サツキが井戸で水を汲むシーンがありましたが、
こちらも、ポンプ式の井戸があります。
一応、レバーを押して水を出してみました。

井戸水は、やはり冷たい。

六地蔵

行方不明になっていたメイが見つかったのは、六地蔵の前でした。
送電線の上をネコバスが走ってきたのですが、
このお地蔵さんの向こうにも、送電線と鉄塔が見えます。
なんか、それっぽい。

松郷

最後に、所沢にまわってサツキとメイが住んでいた所の地名、松郷へ。
今はすっかり団地になってしまいましたが、
近くには川も流れ、その昔はのどかだったのではないかと思われます。

オブジェ

看板の所に動物のオブジェが付いていたのですが、よく見たらリスでした。
どうせだったら、トトロっぽのにしてよ〜。
著作権もあるだろうけど。

トトロをめぐる旅、50.9㎞。

地図

自転車で都内カフェめぐりの旅。
東村山市、制覇!

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チャビィ(代田橋)

看板

目が覚めたら無性に沖縄そばが食べたい気分だった。
何故だろう?
昨日の夜、沖縄のドラマを観た訳でもなく、沖縄の話をした覚えもない。
なぜ、唐突に沖縄そばが食べたくなったのだろう?

窓を開けたら、少し謎が解けた気がしました。
近所の小学校で運動会をやっていたのですが、
ダンスの時間らしく、よさこいソーランみたいな音楽がガンガンかかっていたのです。
その音楽に合わせて、子供達のかけ声も聞こえます。

寝ぼけていたので、もしかしたらそれが沖縄民謡に聞こえていたのかもしれないし、
その前に、本当に沖縄の音楽がかかっていたのかもしれません。
ともかく、この音楽が原因のような気がしました。

原因については納得したけれど、食べたい気持ちは変わりません。
確か、杉並に沖縄タウンみたいな商店街があったハズ。
ネットで調べると、杉並・和泉名店街だというのがわかり、出かける事にしました。

駅で言えば、京王線の代田橋の近く。
道路で言うと、甲州街道と環七がぶつかる付近。
街灯には「小さな沖縄、生まれタウン」という旗が。

和泉名店街

住宅街の中にある和泉名店街は、小さな商店街。
かつては、ご近所の買い物客で賑わったのでしょうが、
ご多分に漏れず、スーパーやディスカウントストアの進出で衰退。

人通りが少なくて、ロケには最適と、
ドラマ「一つ屋根の下」の柏木クリーニング店などの撮影がされたりしましたが、
素直には喜べない状況だったようです。

「スーパーなど大型量販店にはない特徴を!」
…という事で考え出されたのが「沖縄タウン化」。

「杉並区は沖縄学の父と言われる伊波普猷(いはふゆう)が住んでいた」
…というのが、沖縄化のコンセプトの一つだけど、
正直、こじつけで、どんな事をしてでも町おこしをというのが本音らしいです。

のれん

沖縄化という事で、各お店では、沖縄にちなんだ商品やメニューを置いていて、
中華屋さんの軒先では「沖縄焼きそば」の暖簾がたなびいていました。

いじゅん

商店街直営の、沖縄物産店も。

店頭

店頭には、沖縄そばのカップ麺やサーターアンダギー、紅いもタルトなど、
沖縄にまつわる食品やお菓子がいっぱい。

ゴーヤーマン

NHKの朝の連続ドラマ「ちゅらさん」で人気となった、ゴーヤーマンもいました。
懐かしい!

大都市場

もともとは、商店街の中心として賑わった大都市場が寂れ、
シャッター街となってしまった事から、商店街の活気が失われたのですが、
現在は、その空き店舗に沖縄のお店を誘致して、逆に特色を出そうとしています。

大都市場

日曜日だったので、沖縄関連の商品のお店はお休みで、
昼間だったので、沖縄料理を出す居酒屋さんたちもお休み。
…という事で、シャッター街化していますが、
平日の夕方とかに訪れたら楽しそうな雰囲気がします。

この沖縄タウン化するにあたっては、
「沖縄ブームを当てにして変な事をするな」という
反対の声ももちろんあったようです。

何かをしようとすれば、反対の声があがるのは、どこも同じ。
でも「変な事をしない」というのは「何もしない」というのと同じで、
衰退ベースの中では、衰退をただ見守るだけ…と同じ事だとも言えます。
こうして都内をまわってみていると、
生き残っているのはやはり、何かをしている町の方です。

事実、沖縄タウンがあったから今回訪れた訳で、
この町の事が書かれているブログの多くが、そんな人達が書いたものです。
本物のリトル沖縄になる為にも
ぜひ、次のステップとして、沖縄出身者達が集まり住む街へと進化して欲しいです。

首里製麺

さてさて、前置きが長くなってしまったけど、念願の「沖縄そば」へ。
首里製麺というお店。

「やってるさ〜」の看板が出てたので、入るさ〜。

メニュー

メニューには、「そば」ではなくて「すば」と書かれてあったさ〜。
ウチナー(沖縄)では、「すば」っていうらしいさ〜。

調味料

赤く塗られた箸。
琉球ガラスのコップに入ってるね〜。
沖縄料理のお店に行くと、どこでもこれが出てくるさ〜。

左にあるのは、小ぶりの島唐辛子を泡盛に漬け込んだ沖縄の調味料「コーレーグス」。
右にあるのは、石垣島などで出される八重山そばには欠かせない、
胡椒のような味の「フィファチ粉」。
カウンターの上だけでも、沖縄ムード満点さ〜。

首里製麺

全部入りという感じのメニューが「首里製麺」さ〜。
小ソーキ、ラフテー、もずく、アーサー、八重山かまぼこ、ネギ、生姜。
いっぱい乗ってるね〜。
「沖縄だし」と「首里だし」が選べるんだけど、
「沖縄だし」がオーソドックスなスタイルだというので、そっちにしたさ〜。

ホントはどうかわからないけど、沖縄そば…いや沖縄すばって、
ラーメンと違って、体に良さそうな感じがするね〜。
スッキリしたスープだからかね〜?
昆布と鰹節、それに塩と、とってもシンプルさ〜。
コーレーグス入れると、さらにウチナームードが盛り上がるね〜。

今度は、首里だしも食べてみたいさ〜。
また来たいね〜。

■首里製麺
■東京都杉並区和泉1-3-6
■営業:
11:30~15:00
18:00~23:00
11:30~23:00(土日祝)
■定休日:水曜
場所はこのへん

ラポルタ和泉

この商店街の近くには、ちょっと変わった建物があります。
壁面に大きなペガサスが描かれているのは、
ラブホテルではなく、「ラポルタ和泉」というマンション。
日本のガウディと言われる梵寿綱(ぼんじゅこう)が手がけた建物です。

場所はこのへん

代表的なのは、早稲田にある「和世陀(ドラード早稲田)」という建物。
早稲田や池袋にも梵寿綱が手がけた建物があり、
建築物マニアの聖地っぽくなっているので、今度、通りかかったらまた紹介しますね。

樹下美人図

正面にあるのは、樹下美人図というそうです。
いわゆる美人画の一つのスタイルなのですが、
伝説のマンガ「がきデカ」の「死刑」のポーズに見えなくもない。
これだから凡人はイヤになります…。

マインド和亜

同じ通りを100メートルぐらい進んだ所にあるのが、
同じく梵寿綱が手がけたマンション「マインド和亜」。
1階がデイリーヤマザキになっているのですが、
さすがに看板などは埋め込めなかったらしく、別立ての電柱スタイルとなっています。

場所はこのへん

カフェ

コンビニの反対側にはカフェらしき物があったので、
本来ならここに入りたかったのですが、
定休日なのか、閉店したのか、開いてませんでした。
残念。
店内がどうなっているのか見てみたかった…。

自転車でこの辺をウロウロしてみたけど、
住宅街でカフェがある気配もないので、代田橋周辺で探すことに。

住宅街

甲州街道を渡った駅周辺は、世田谷区。
駅の近くを散策したのですが、見つからないのでiphoneで検索。
すると、この付近にカフェがあると出たのですが、アパートが建ち並ぶ住宅街でした。
本当に、あるのでしょうか?

と、思ったらありました!
左側の2軒目が、それらしき感じです。

チャビィ

お店の名前は「CHUBBY(チャビィ)」
全面ガラス張りですが、店内の明かりの方が抑えられているせいか、
丸見え感はありません。

店内

お店は意外に広くて、この見えているスペースの左側に、
この二倍ほどのフロアがあります。
聞いたら、元々は工場と倉庫があったスペースをぶち抜いて、
一つの広いフロアにしたのだそうです。
手前はコンクリートむき出しの床なのですが、左手は板張りで、
かつて違う部屋だった事を偲ばせます。

広いスペースを使って、席と席の間隔も離れているので、
圧迫感がなく、ゆったりとした雰囲気。

時計

店内には、所々に棚があり、アートスペースとなっているのですが、
現在行われているのは、大阪のアーティストによる手作り時計展。
実際に購入する事が出来ます。

どら焼き

頂いたのは、どら焼きプレート600円と、アイスカフェラテ500円。
パンケーキのような、どら焼きの皮に、
きなこのクリーム、生クリームとクリームチーズのホイップ、
バニラアイス、ミルクアイスと、4種類を餡の代わりに乗せて頂きます。
それぞれの餡を試しながら食べるのが楽しい。

こちらで一番素晴らしいと思ったのは接客です。

チェーン店のようなマニュアル化された接客でもなく、
ベタベタしたフレンドリーさでもなく、
かといって、放っておく訳でもなく、
とにかく心地よい距離感なのです。

かゆいところに手が届く…という感じでしょうか?
サービスというよりは、さりげなく気が利くという感じで、
これは教えられてどうこうというより、その人のもつ本質のような気がします。

探さないと見つからないような場所にありながら、この時も満席だったのは、
オシャレなだけでなく、そういう心地よさがあるからに違いありません。

写真にあるように、帰る際にはお見送りしてくれます。
自転車の鍵を外しながら、また来たいなあと思っている自分に気づきました。

■チャビィ
■東京都世田谷区大原2-27-9
■営業:12:00~翌2:00
■定休日:火曜日
場所はこのへん

お店のサイト

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