ランドアバウト

ランドアバウト

9月1日に、改正道路交通法が施行され、
信号のない円形交差点、ランドアバウトの運用がはじまりました。
今回7都道府県の15カ所に設置され、
本年度中に神奈川、千葉、埼玉など8県24カ所が加わる予定だそうです。

信号がない円形交差点という事で見慣れない人達からは、
「怖い」「渋滞の元」などの声が上がっていますが、
元々円形交差点というのは、全国に140カ所ありました。

これに

ランドアバウト
「時計回り一方通行のみ」

という法規制をかけたのが、ランドアバウトです。

ツールドフランスなどで走るヨーロッパの街並みは、
このランドアバウトが一般的なので、
自転車乗りというか、レース好きは、よく目にしている光景です。

ところが、日本ではランドアバウトという言葉が聞き慣れないので、
いきなり恐怖感を持っている人も多いですが、
駅前のロータリーとか、想像してもらえればわかりやすかと思います。
東京の城北地区であれば、板橋、十条、ときわ台、練馬高野台などの
駅前ロータリーが交差点になったと想像してください。

あそこもローターリーは一方通行ですが、それが交差点にあると思ってください。

上の写真は、東京で唯一ランドアバウトに指定された
多摩市の桜ヶ丘の円形交差点ですが、
ここ、実は皆さんが良く知る場所です。

耳をすませば

この一帯は、ジブリのアニメ「耳をすませば」のモデルとなった地区で、
この円形交差点は、地球屋があった場所です。

ロータリー

「耳をすませば」の聖地めぐりで行ったことがありますが
住宅街の真ん中でそんなに交通量の多い場所ではありませんが、
一応、路線バスも通る場所です。

過去5年間、この場所では交通事故が起こった事がなかったそうですが、
まれに、交通ルールを知らずに逆走する車があったりして、
それが、今回の法改正で徹底される訳です。

信号のいらないランドアバウトですが、メリットとデメリットがあります。

メリット

●交通量の少ない場所で無意味な信号待ちをする必要がない
●右左折の専用レーンがいらなくなる
●どこの交差点でもUターンが出来る
●交差点前から速度を落とす事になるので交差点内の事故が減る
●災害時に信号が停止しても、元々信号な無いので混乱が起きにくい

これ、かなりの郊外にサイクリングに行った時に思うのが、
車が全く来ない交差点で、信号待ちする事があります。
もちろん、ルールを守って信号待ちしますが、
何の為に止まっているの?とバカみたいに感じる事も。
ランドアバウトであれば、徐行して通過出来ますから、そういう問題が解決出来ます。

交通量の少ない郊外、これから都市設計する新興住宅地などでは、
かなりメリットが多いような気がします。

ちなみにうちの故郷、岩手県宮古市では、
津波で信号が全滅してしまった経験から、
被災地区の復興の都市計画で、このランドアバウトを採用していくそうです。

デメリット
●交通量の多いところでは、逆に渋滞が起きやすい
●人気観光地のように季節で車が殺到する地域には向かない
●狭い道路の交差点に新たに新設しにくい
●自転車の動線の不徹底
●どことは言わないが、交通マナーの悪い地域でのルールの不徹底

例えば、五日市街道や青梅、新青梅のように
信号のいくつ先まで渋滞になるような場所には向きません。
ランドアバウトのすぐ先に信号があると、そこから円形交差点の間が渋滞し
ランドアバウトから出ようとしても、つまって円から出られなくなってしまいます。
結果、円形の中がストップしてしまいます。

オフシーズンは交通量が少なくても、ハイシーズンにわっと集まってしま場所も
このランドアバウトには向きません。
軽井沢なんかが失敗例ですね。

あと新設のランドアバウトの写真をいくつか見ましたが、
自転車レーンのペイントが書き入れてある所と、
歩道に誘導している所と、指針がバラバラなので、混乱の元です。

ここまで書きましたが、どう走るのかイメージが付かないという人の為に、
長野県飯田市 東和町交差点のLIVEカメラのリンクを貼っておきます。


あと、ヨーロッパではランドアバウトが一般的と言いましたが、
ツール・ド・フランス2014 第6ステージ、
ゴールまで、このランドアバウトが連続して出てきます。
レースは、車道封鎖して行われているので、
ロータリーを挟んで選手の列は左右に分かれますが、
通常ではあれば一方通行です。

という訳で、郊外で徐々にランドアバウトが増えていくと思いますが、
別に慣れれば大変なものじゃないので、覚えておきましょう。
駅前のロータリー回って違う道に抜ける、そんな感じです。

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