喫茶・蔵(北千住)

標識

自転車で23区のカフェ制覇の旅。
今回は足立区を制覇するために東へと向かいました。
なんだか国盗り物語みたいになってきましたね。

練馬区からは、春日通りを経由して、本郷方面へ。
ここまで、本郷の喫茶ルオーに向かった時の道順とほぼ同じ。
以前は、ここを左折しましたが、今回は直進です。

湯島天神

しばらく行くと湯島天神が右手に見えてきます。
梅の名所だからその時期に梅見に来るのもいいかも。
でも梅の時期は、さすがに寒いのかな。

上野駅

そのまま道なりに進むと、上野広小路から上野駅方面へ。

この界隈にも歴史のある喫茶店とかありそうですね。
この辺でもいいかなあ…と妥協しそうになったのですが、
当初の目的を果たすべく、さらに東へ。
上野のバイク街を通り、昭和通りを進んでいきます。

入谷

入谷では、朝顔市の準備が進められていました。
同時に七夕祭りも行われていて、昼から屋台を出して飲んでいる人がいてそそられましたが、
飲酒運転になるので、チャリカフェではアルコールは禁止。
我慢、我慢…です。

その代わり、ペットボトルの水をごくり。
自転車の旅では水分補給は必須。
そのうち、水筒も付けちゃおうかな。

千住大橋

南千住を越えると、千住大橋が見えてきます。
ここで、隅田川を越えれば、目的地の北千住。

隅田川は、南千住で大きくカーブして浅草方面へと流れていきます。

橋と平行して水道管か何かが渡されているので、川の風景が見えにくいのが残念。
でも、渡りきるあたりで、橋のたもとに小さな公園風のものがあるのが見えました。
で、降りてみることに。

橋の下

橋の下をくぐるための、小さなが橋が架けられています。
実は、2重に橋が架けられているんですね。

隅田川

その小さな橋を渡って反対側に出てみれば、隅田川の風景が広がります。
こちらが浅草方面。
向こう側に見えるのはJR常磐線の鉄橋です。
何故わかったかというと、スーパーひたちが走り去って行ったから。
鉄道の車両の色なども、路線によって違うので、
場所を特定する重要な手がかりとなるのです。

御上がり場

堤防の方を振り返ると「千住大橋際御上がり場」という立て看板がありました。
それと一緒に江戸時代の絵が描かれています。
江戸時代、将軍が鷹狩りに出かけるときに、ここで船を降り上陸したという場所だそうです。

おくのほそ道

橋の上流側には、松尾芭蕉の絵と「おくのほそ道」の一説が描かれています。
実はここ、芭蕉の旅が始まった場所なのです。
(注)ダジャレじゃありません。

行程図

さらに堤防をあがると小さな公園があり、「おくのほそ道」の行程図が描かれいます。

自転車で23区の旅というのも大冒険のような気がしていましたが、
自転車はおろか、車も電車もない中、自分の足でこの距離を旅するなんて…。
今の時代からすると、昔の旅人は全員冒険家ですね。

それに引き替え、電車もあるのに、駅の階段ぐらいで文句を言う現代人。
自分の身体能力のほとんどを、使っていないのではないでしょうか?

東京芸大

橋を渡れば、そこは北千住。

駅方面に向かうと東京芸大のキャンパスがありました。
東京芸大は、上野、取手、横浜の他に千住キャンパスがあり、
千住は、大学院音楽研究科音楽文化学専攻の一部と、音楽学部音楽環境創造科があるそうです。
何を勉強するのか、さっぱりわかりませんが…。

喫茶・蔵

駅近くの入り組んだ細い細い路地を入ると、お目当てのお店がありました。
「喫茶・蔵」。
大蔵屋質店の文字が見えますが、こちらは質屋さんの蔵を改装した喫茶店なのです。

案内図

北千住の名物の一つとなっているらしく、観光案内的な立て看板があり、
蔵の説明が描かれています。
千住はかつて宿場町だったので、質屋さんに限らず、蔵を持つお店が多かったそうです。

蔵の中

店内は、店舗部分にカウンターがあり、蔵の中にテーブル席が設置されています。
金庫のような扉の所から、中に入ります。
4人席が4つぐらいあったでしょうか。
内部は板張りになっていて、アンティーク風の家具でイメージが統一されていました。

アンティーク

質屋さん時代に使われていたのか、それとも集められたのか、
古い扇風機や計算機と思われる物や、壁掛けの古い電話などもありました。

ホントサンド

ホットサンドのセットは、2種類のサンドイッチと、コーヒーがついて850円。
このお店的には、ホットサンドではなく「ヤキサンド」と言うらしいです。

アンティークのイメージのお店なんですが、気取ったお店ではなく、
おばさんとお婆ちゃんがやっているせいか、暖かみを感じます。
地元以外の人にも有名なお店ですが、やはり地元密着しているらしく、
仕事や家事の合間に一息入れに来るお客さんが中心。
そんな地元感もいい味をだしているのかもしれません。

お会計をすると、お婆ちゃん手作りの綺麗な楊枝入れに入ったつまようじが
お土産で頂けます。
何気ないのだけど、なんかこういうの頂くと、あたたかい気持ちになります。
年を重ねた人は、その長い旅の中で身につけた、見えない何かを放っている気がします。

「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」

■喫茶・蔵
■東京都足立区千住1-34-10
■営業:10:00~18:00
■定休日:日曜・祝日
場所はこのへん

今回のルート

自転車で23区カフェ制覇の旅…ただ今、11/23区。

地図

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花想容(下落合)

目白三丁目

※カフェの営業は終了し、着物店は本郷へ移転しました。

目白というと豊島区というイメージですが、駅から100mも行けば、そこはもう新宿区です。

大木

目白通り、目白三丁目の交差点を新宿方面へ曲がると、閑静な住宅街があり、高級住宅地らしく、大きな家が建ち並びます。道をふさぐように立ちはだかる大けやき。この木に敬意を表するかのように、道の方が避けて蛇行しています。なんでも碁盤の目のように区画整理したがる風潮の中で、なんとも微笑ましい光景です。

花想容

さてさて、本日のお目当てはこちら。和カフェの「花想容」です。目白方面からだと、先ほどの「大けやき」まで行くと実は行きすぎで、その一つ前の角を右にまがり、次の角を左に行ったところにあります。

看板

普通の住宅のように見えますが、この看板が目印です。

細道

家の脇の細い道を通って、中庭のある方へ。奥へ奥へと進んでいきます。

室内

縁側から靴を脱いであがると、洋のようでありながら、和のようでもあるモダンなお部屋に通されます。大正時代に建てられた建物で、どことなく大正浪漫の香りも。

実はこちらは、近衛文麿邸だった所。日本が太平洋戦争へと突入していく時の首相で、日独伊三国同盟を締結した人です。

首相の家にしてはこぢんまりした感じがしますが、これは残された建物の一部で、本来は、先ほどの大きなけやきのあたりからの、広い敷地の大邸宅だったそうです。

中庭

濡れ縁で囲まれた坪庭には緑が生い茂り、初夏の爽やかさを感じさせてくれます。

こちらでは、着物教室などもやっているのですが、縁側には反物なども並べられています。「これは売り物なんですか?」と聞くと、「今の時期は浴衣を売っています」とのお答え。部屋の棚にも、和の小物が並べられて販売されていました。

あんみつ

ケーキなどもありましたが、和のテイストのお店という事で、頂いたのは「あんみつ」のセット、1000円。飲み物も選べるのですが、和で「冷たいゆず茶」にしてみました。

あんみつは、口の中で黒蜜の香りがふわっと広がる自然な甘さ。和の味というのは、なんかホッとするスイッチを入れてくれます。やはり日本人なんだあ…と感じで、のんびりと庭を見ながらリラックス。

こちらのお店、席は2人席が2つと、4人掛けが1つと、あまり大きくないので週末などは、混雑してしまう事もあるそうです。その際は、一組1時間までに制限してもらう事も。なのでお時間のある方は、平日の方が狙い目です。

※カフェの営業は終了し、着物店は本郷へ移転しました。

■花想容
■東京都新宿区下落合2-19-21
■営業:1:30~18:30
■定休日:火曜・祝日
(水曜は着物教室になるので、カフェとしてはお休みです)
場所はこのへん
お店のサイト

おとめ山公園

さて、お店の前の道を新宿方面に進み、2〜3分。少し坂を下った所に、うっそうと木の生い茂った公園があります。それが「おとめ山公園」。

森ガールの為の楽園かというような雰囲気の名前ですが、漢字で書くと「御留山」。江戸時代は、この一帯が徳川家の狩猟地で、一般人の立ち入りが禁止されていたことから、この名前がついたそうです。

都会の中に突如として出現する森で、かつては「落合秘境」とも呼ばれていたそうです。

池

公園は2つに分かれていて、目白寄りの方には池があり、鯉などが悠々と泳いでいます。

亀

さらには、亀が集団で甲羅干し。

蛍の飼育室

西側は、大きな森となっていて、その中に湧き水を利用した、蛍の飼育施設も。7月には「おとめ山夏祭り・蛍観賞の夕べ」というお祭りも行われるそうです。

森

森の中のベンチでは、読書する人や、ウクレレの練習をする人など、思い思いに、ゆるゆるムードで過ごしていますが、都会の中の森だけに、カラスにとっても楽園らしく、時折鳴き声がこだまします。

そんな中、さらに奥へ進んでいくと、その森の中のベンチに、お葬式帰りのように黒ずくめのワンピースに、黒い帽子をかぶり日焼け防止用の黒い手袋をした女性が座ってたのですが、さながらカラスの化身のような雰囲気。世にも奇妙な物語のプロローグのような感じで、これから何か起こりそうな怪しい雰囲気を醸し出していて、少しビビりました。

森の奥には、何か怪しい妖気が放たれているような気がします。

■おとめ山公園
■開園時間
7:00〜19:00(4月~9月)
7:00〜17:00(10月~3月)
■入場料:無料
場所はこのへん

自転車で23区カフェ制覇の旅…ただ今、7/23区。

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