ベルク(新宿)

ヘルタースケルター

新宿で行われている友人の写真展を見に行くことにする。
その前に、劇場鑑賞券を頂いた沢尻エリカ主演の映画
「ヘルタースケルター」を見に行く事にしました。
知人たちの感想を聞くと、
見終わった後に、何ともいえないダウンな気持ちになると聞いていいたからです。
友人の写真展は、ちょっとテンション落ち気味の中で観たかったのです。

ところが、まさかの最終上映まで売り切れ。
ネット予約できる時代ならではの現象でしょう。

新宿

そこで、町をふらついてみました。
久しぶりの昼間の新宿。

やはり新宿はカオスだ。
オネエ系にはほど遠い、オバサマ系の方々が闊歩し、
当たり前に風景の一部としてとけ込んでいます。

そして思ったのは、女性達の化粧が濃いという事でした。
ツケマ、スプレーで盛った髪が、歯止めがきかなくなり暴走している。

まあ、ギャル達のモリモリメイクをしてれた方が化粧品の消費が早い訳だから、
彼女らにウケるアイコンとして、カリスマに祭り上げられるのは
厚化粧のタレントさん。
そして、カリスマに近づこうと、一生懸命、自分を塗りたくる。

ただ、これが普通の街なら浮いてしまうのだろうけど、
新宿だと普通に溶け込んでしまうのが不思議です。

地下街

さて、友人の写真展を見に行く事にしました。
新宿の駅ビル・ルミネエストの地下にあるお店。
東口の改札からアルタ方面に抜ける左手の小さな飲食街の中にありました。

ベルク

ベルクというお店。
ビルがマイシティーからルミネエストに変わったあたりから、
ファッションビルにしようと飲食店などを追い出す動きがはじまり、
こちらも立ち退き問題に巻き込まれました。

その事が発覚すると、お店の存続を願う1万通ちかい署名が集まり、
大手企業と戦うお店として、テレビドキュメントなどでも取り上げられたお店です。

ベルクドック

頂いたのは、ホットドックブランチ、525円。
ホットコーヒーをアイスに変更すると、プラス50円です。

「何もつけないで食べるのがおすすめです。」
と、注文の時に言われたので、それに従ってみました。
ソーセージ自体の味を楽しんで欲しいという事でしょう。

確かにしっかりとしたソーセージの味がします。
ただ、それまで猥雑な感じの新宿の風景を見て来たばかりだから、
ケチャップやマスタードをたっぷりつけて、
ジャンクな感じで味わってもみたかったです。

店内

さて、店内を見回すと、壁一面に友人の写真が貼られています。

僕は写真展が目的で、このお店に足を運んだのだけど、
多くの人にとっては、ふと立ち寄ったお店の壁の一部として存在していました。

正直、写真展として鑑賞するには、あまり条件の良くないこの場所。
あえて、ここを選んだのか、友人に聞いてみると、
額装して、いかにも写真として見て貰うのではなく、
なんとなく、ふと目にとまって欲しいから…という事でした。

外で撮った写真だから、ホントは外の掲示板とかに張りたいぐらい。

だとすれば、1日1500人ぐらいの人が通り過ぎるこの場所は、
そんな、外の雰囲気に近い場所なのかもしれません。

■ビア&カフェ BERG (BEER&CAFE BERG)
■東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿 B1F
■営業:7:00~23:00
■定休日:無休
場所はこのへん
お店のサイト

ささくれの土地

友人の写真展は「ささくれの土地」というタイトルがつけられいる。
この案内状を見たときに「やられた!」と思いました。
タイトルが秀逸すぎる。

友人の故郷である青森県の八戸市を撮った写真達が並ぶのですが、
そんな故郷を「ささくれの土地」と呼ぶ。

誰でも故郷に対しては、心の中に小さな痛みのある思い出を抱えていて、
なにかにひっかかった時、突如、チクリと忘れていた痛みを思い出す。
それを表すのに、これ以上にないピッタリな言葉だと思ったのです。

そんな写真を見るには、テンション低めで行った方が、
何か別の見え方がするかもしれない。
だから、ダウンな気持ちになるヘルタースケルターを観てから行こうと思ったのです。

こういうネーミングセンスのない僕にとっては、やられた感満載。
しばし、彼の写真を眺めながら「新宿」のネーミングを考えてみる。

雑多な人種、行きすぎた化粧、過剰なファッション。
ジャンクな物を欲しくなったあの感覚。
いろいろ光景を思い浮かべ、
「添加物まみれの街」というのが思いついたけど、
やっぱ平凡だな。
残念ながらセンスがない。

友人の写真展は、9月30日まで。
通りすがった際には、ぜひ、どうぞ。

池袋

池袋に戻って来た。
新宿のような気張りが感じられない。
化粧も比較的普通。
念の為に映画館に足を運んで見ると、
ヘルタースケルターも残り席があったので、観てみる事にする。

沢尻エリカのおっぱい。
セックスシーン。
蜷川実花の色彩。

そんな事より僕が思ったのは、コレってさっきの新宿じゃんって事。

映画の中では、あの歯止めのきかない女性達の化粧が、
デフォルメされて物語となり、映し出されていました。

沢尻エリカが、化粧っけのないマネージャーに
口紅らしき物を使ってみなさいと渡しながら言う。
「ドラッグみたいなもんだから。やったら、もっとやりたくなる」

原作

観終わった後、確かに何とも言えない気分になるのだけど、
それは作品が持つ狂気の世界のせいではなく、
いくつか腑に落ちない部分があり、生まれたモヤモヤでした。

そこで、勢いでマン喫に飛び込んで、原作を読んでみました。

なるほど。
そういう事か。

もし、中島哲也監督だったら、どう撮ったんだろう…。

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