スロープ(上井草)

武蔵大学

以前、千川上水を下流まで辿っていきましたが、
今度は、千川通りを上流方面に走ってみることに。
すっかり新しくなってビル化された武蔵大学。
その道を挟んだ反対側、写真の右側の桜並木が、
千川上水が暗渠化された場所です。

中村橋

この千川通りの北側にある桜並木は、練馬駅前で一度途切れますが、
新目白通りを越したあたりで復活。
中村橋へと続いて行きます。

なんでこの辺、川もないのに中村橋?って思った事ないですか?
橋という地名は、千川上水の名残で、
この付近で、千川上水に架かっていた橋の名前が「中村橋」
だから、上水を地中に埋めて暗渠化した今でも、橋の名前だけ残っているのです。
実は、千川通り沿いの交差点には「○○橋交差点」と名前のついた所が多いです。
今度、気をつけて走ってみてください。

新青梅

環八を越えた所で再び道路が狭くなり、並木も無くなってしまうのですが、
新青梅街道を越えたところでまた復活。
なので、千川通りの北側を千川上水が流れたいたと推測出来ます。

千川上水

この下が暗渠化された千川上水だと思われます。
千川上水印のマンホールとか探したけど、発見出来ず。

上井草

上井草へ来たところで、ちょっと寄り道。
この交差点を左にまがった所、すぐにあるのが、
サンドイッチのお店「カリーナ」。

カリーナで前回食べられなかったオムレツサンドも食べたい所なんですが、
今回は、行きたい場所があるのでガマンしてさらにその先へ。

スロープ

こちらが寄り道したかったお店「スロープ」
同じく上井草にあるゲンロカフェの姉妹店です。

坂道

坂の上にあるので「スロープ」という店名に。
高低差マニアの勘によると、こういう谷底は川の跡地があるハズ。
たぶんね。
今度探してみるかな。

店内

お店は今都内に増えているリトルコーヒースタンド形式。
ただ、西武線沿線というのが、ちょっと珍しい。

下北沢、代々木、青山、三宿、吉祥寺、高円寺、雑司ヶ谷とか、
ちょっと流行に敏感な地域では、
今のトレンドの一つであるリトルコーヒースタンドが増えていますが、
西武線沿線って流行に疎い地域だからなあ。

店内

店内はいたってシンプル。
リトルコーヒースタンドでは立ち飲み形式の所が多いですが、
こちらは、テーブル席があるのが嬉しいところ。

本棚

置いてある雑誌のセンスもよい!

カフェラテ

基本、コーヒースタンドって食べ物を置いていない所が多いのですが、
こちらでは、平日は井荻のBREAD BOARDのパン。
土曜日は、無店舗販売の洋傘パン店のパンが置いてあるようです。

頂いたのは、カフェラテ350円と、
洋傘パン店のエッグシチューベーグル230円。

写真の許可を貰う時にお店の方に話しかけると、
「ブログとかやられているんですか?」
「はい、自転車でカフェめぐりをするのが趣味で」
「ノジーコーヒーって知ってますか?」
「三宿のシングルオリジンのお店ですよね」
「はい、うちはそこの豆を使っているんです」

という訳で、リトルコーヒースタンドの話で三宿と書きましたが、
世田谷公園前のノジーコーヒーの豆を使っているそうです。

ミルクに負けないコーヒーの香りがいいね!

江古田には駅前にターリーズが出来て、皆それで満足しちゃってるけど、
こういう個性派エスプレッソのお店が欲しいなあ。

■SLOPE (スロープ)
■東京都杉並区上井草2-35-2
■営業:9:00~19:00
■定休日:
場所はこのへん
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ちひろ美術館・えほんカフェ(上井草)

看板

上井草の帰り道、こんな看板が目に飛び込んで来た。
へー、こんな所に「ちひろ美術館」あるんだ。
画家であり、絵本作家の「いわさきちひろ」の美術館。

道

ホントにこんな、畑の中に?
…と、半信半疑で矢印にしたがって進むと!

ちひろ美術館

お!ありました!結構立派じゃないですか。
こちらは、いわさきちひろの自宅だった場所に建てられた個人美術館です。
だから、住宅街の中にあるんですね。

意外と言ったら失礼かもしれないけど、結構、にぎわってました。

フライヤー

さて、美術館の中での撮影は出来ないので、
フライヤーで勘弁して貰いましょう。
よく知らない人でも、絵ぐらいはなんとなく見たことがあるでしょ。

実は僕もそんな詳しいほうじゃなかったのだけど、
観ているうちに、どんどん引き込まれていきました。

子供達の純粋さを描いた作品が多いから、
なんだかピュアな刺激を受けるのだけど、
それと同時に、鈍い痛みも感じてきます。

絵をみるときって自分の精神状態が影響します。

優しいタッチが、優しすぎる。
自分がささくれているからか、
隣に純なものを並べられると、
自分ががどれぐらい薄汚れているのか思い知らされます。

白いTシャツを着ているつもりだったのに、
真っ白な壁の前に立ったら、黄ばんでいるのがわかった…みたいな。
そんな自分に気づいて、心にズキンと鈍い痛みが…。

でもね、観ているうちに浄化されていく感じもあります。
なんだか、心がだんだん穏やかになっていきます。

彼女の手法の一つに、背景を色づけして、
真っ白な人間を浮き出させる…というのがあるけれど、
それが純粋さを描くのに効果的だったりもします。
その色がついていない人を見ているウチに、
こっちも邪念が消えて、無になっていくみたいな。

えほんカフェ

館内にはカフェもあります。
そして天気のいい日は中庭に面したテラスも使えます。

シフォンケーキ

こちらは写真を撮ってもいいという事だったので、
シフォンケーキ500円と、カプチーノ450円の写真を。
セットにすると、100円引きなので、850円。

小春日和で、心が穏やかになった後だから、
時間を気にせず、まったり。
いいね!
普段、ギスギスしすぎなんだよ。
きっと。

最後に、この美術館でちょっとオススメの場所を!

2階の離れの奥に、図書館があります。
ここには沢山の絵本があって、それを読むことが出来るのですが、
その本棚の一角に、百科事典のような装丁の
「ひとこと、ふたこと、みこと」という本がズラリと並んでいます。
実はコレ、本ではなく来館者の感想ノートをまとめたもの。

これが凄くいい!

心の迷いをピュアな絵に救いを求めるのか、
何かに迷っている人が、今の気持ちを正直に綴っています。
ツイッターもブログも無い時代のものもあり、
簡単に吐き出す方法がなかった時代、
自分の心の中に溜め込んでいたものを、
一生懸命、でも少しずつゆっくりと、ノートに綴っているのです。

読み進めると、
「学校をサボってここに来ました」
「雨が降っています。とても静かです」
というような出だしが多く、
一人で、心の整理をするために、
ここのノートに向き合っている人が多い気がしました。

その中で、ちょっとグっと来る物があったので、
覚えている限り、再現してみたいと思います。
たぶん、言葉は違うかもしれないけど、だいたいこんな内容。

5月8日、水、はれ

おひさしぶりです。
実は今日、学校をサボって来てしまいました。
うまくかけないけど、私は今、変化しています。

こんな書き出して始まっていました。
彼女は中学を卒業してから、環境の変化について行けず、
引っ越しもしてしまったので、友達もいなく、孤独を抱えていました。
それで楽しかった中学の時のことばかりを思い出す、
ひとりぼっちの日々が続いていました。

そんな自分を変えようと、
フォークソング部に入り、明るく振る舞うのだけど、
それは本来の自分じゃないから、とっても疲れてしまい、
ある日、倒れてしまった事も。

だけど、フォークソング部で先輩のライブのお手伝いをしていて、
その熱気で、自分がやりたい事がみつかった。
やっと自分が見えた。
…みたいな内容が、一気に綴られていました。

そして、次のページに、もう一つ彼女の書き込みが。

5月8日、水、はれ

さっき書いたときは、ずいぶんと興奮しすぎていました。
やっぱり今日、学校をサボってきたかいがありました。

私は、いつも自分を見失いかけている時に、
ここに来て、何かを見つけ、自分をとりもどせるのです。

今日は、やっと自分を見つけた事を、報告に来ました。
いつもは、失った何かをみつけられるから、
今日は、逆に、自分を見失ってしまうのではないかと、少しおびえてもいました。

でも、やっぱりここは落ち着かせてくれます。

どうもありがとう。
私、現在、とっても幸せです。

これ、今から約30年前の女子高生が書いた、書き込み。
いつの時代も変わりないんだね。

もし、心に何かモヤモヤを抱えていたり、
なにかがわからなくなっている人がいたら、
ここに来てみるといいかもしれない。

みんなが心を落ち着かせて書いた、おだやかな文章に触れているうちに、
自分の心の中がスーッとしていくのが感じられると思います。

■ちひろ美術館・えほんカフェ
■東京都練馬区下石神井4-7-2
■営業:
9:00~17:00(美術館)
10:30~17:00(カフェ)
■休館日:月曜
■入場料:
大人800円、
高校生以下無料
場所はこのへん
公式サイト

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