ちひろ美術館・えほんカフェ(上井草)

看板

上井草の帰り道、こんな看板が目に飛び込んで来た。
へー、こんな所に「ちひろ美術館」あるんだ。
画家であり、絵本作家の「いわさきちひろ」の美術館。

道

ホントにこんな、畑の中に?
…と、半信半疑で矢印にしたがって進むと!

ちひろ美術館

お!ありました!結構立派じゃないですか。
こちらは、いわさきちひろの自宅だった場所に建てられた個人美術館です。
だから、住宅街の中にあるんですね。

意外と言ったら失礼かもしれないけど、結構、にぎわってました。

フライヤー

さて、美術館の中での撮影は出来ないので、
フライヤーで勘弁して貰いましょう。
よく知らない人でも、絵ぐらいはなんとなく見たことがあるでしょ。

実は僕もそんな詳しいほうじゃなかったのだけど、
観ているうちに、どんどん引き込まれていきました。

子供達の純粋さを描いた作品が多いから、
なんだかピュアな刺激を受けるのだけど、
それと同時に、鈍い痛みも感じてきます。

絵をみるときって自分の精神状態が影響します。

優しいタッチが、優しすぎる。
自分がささくれているからか、
隣に純なものを並べられると、
自分ががどれぐらい薄汚れているのか思い知らされます。

白いTシャツを着ているつもりだったのに、
真っ白な壁の前に立ったら、黄ばんでいるのがわかった…みたいな。
そんな自分に気づいて、心にズキンと鈍い痛みが…。

でもね、観ているうちに浄化されていく感じもあります。
なんだか、心がだんだん穏やかになっていきます。

彼女の手法の一つに、背景を色づけして、
真っ白な人間を浮き出させる…というのがあるけれど、
それが純粋さを描くのに効果的だったりもします。
その色がついていない人を見ているウチに、
こっちも邪念が消えて、無になっていくみたいな。

えほんカフェ

館内にはカフェもあります。
そして天気のいい日は中庭に面したテラスも使えます。

シフォンケーキ

こちらは写真を撮ってもいいという事だったので、
シフォンケーキ500円と、カプチーノ450円の写真を。
セットにすると、100円引きなので、850円。

小春日和で、心が穏やかになった後だから、
時間を気にせず、まったり。
いいね!
普段、ギスギスしすぎなんだよ。
きっと。

最後に、この美術館でちょっとオススメの場所を!

2階の離れの奥に、図書館があります。
ここには沢山の絵本があって、それを読むことが出来るのですが、
その本棚の一角に、百科事典のような装丁の
「ひとこと、ふたこと、みこと」という本がズラリと並んでいます。
実はコレ、本ではなく来館者の感想ノートをまとめたもの。

これが凄くいい!

心の迷いをピュアな絵に救いを求めるのか、
何かに迷っている人が、今の気持ちを正直に綴っています。
ツイッターもブログも無い時代のものもあり、
簡単に吐き出す方法がなかった時代、
自分の心の中に溜め込んでいたものを、
一生懸命、でも少しずつゆっくりと、ノートに綴っているのです。

読み進めると、
「学校をサボってここに来ました」
「雨が降っています。とても静かです」
というような出だしが多く、
一人で、心の整理をするために、
ここのノートに向き合っている人が多い気がしました。

その中で、ちょっとグっと来る物があったので、
覚えている限り、再現してみたいと思います。
たぶん、言葉は違うかもしれないけど、だいたいこんな内容。

5月8日、水、はれ

おひさしぶりです。
実は今日、学校をサボって来てしまいました。
うまくかけないけど、私は今、変化しています。

こんな書き出して始まっていました。
彼女は中学を卒業してから、環境の変化について行けず、
引っ越しもしてしまったので、友達もいなく、孤独を抱えていました。
それで楽しかった中学の時のことばかりを思い出す、
ひとりぼっちの日々が続いていました。

そんな自分を変えようと、
フォークソング部に入り、明るく振る舞うのだけど、
それは本来の自分じゃないから、とっても疲れてしまい、
ある日、倒れてしまった事も。

だけど、フォークソング部で先輩のライブのお手伝いをしていて、
その熱気で、自分がやりたい事がみつかった。
やっと自分が見えた。
…みたいな内容が、一気に綴られていました。

そして、次のページに、もう一つ彼女の書き込みが。

5月8日、水、はれ

さっき書いたときは、ずいぶんと興奮しすぎていました。
やっぱり今日、学校をサボってきたかいがありました。

私は、いつも自分を見失いかけている時に、
ここに来て、何かを見つけ、自分をとりもどせるのです。

今日は、やっと自分を見つけた事を、報告に来ました。
いつもは、失った何かをみつけられるから、
今日は、逆に、自分を見失ってしまうのではないかと、少しおびえてもいました。

でも、やっぱりここは落ち着かせてくれます。

どうもありがとう。
私、現在、とっても幸せです。

これ、今から約30年前の女子高生が書いた、書き込み。
いつの時代も変わりないんだね。

もし、心に何かモヤモヤを抱えていたり、
なにかがわからなくなっている人がいたら、
ここに来てみるといいかもしれない。

みんなが心を落ち着かせて書いた、おだやかな文章に触れているうちに、
自分の心の中がスーッとしていくのが感じられると思います。

■ちひろ美術館・えほんカフェ
■東京都練馬区下石神井4-7-2
■営業:
9:00~17:00(美術館)
10:30~17:00(カフェ)
■休館日:月曜
■入場料:
大人800円、
高校生以下無料
場所はこのへん
公式サイト

Pocket
LINEで送る

オン・サンデイズ・カフェ(外苑前)

なるしまフレンド

久々の晴れの土曜日。
ホントは荒川サイクリングロードで上流を目指す予定だったのですが、
前日に飲み友達とついつい深酒。
起きたら結構昼近く、遠出する気力も失われました。

そこで気持ちを切り替えて、都内の自転車乗りの聖地を目指す事に。
実は、これがいい結果を生んだのです。

最近ビートルズを聴いても、なぜワクワクしないのか?
自分の中にあった、ある疑問が解決する事になるのです。

青山の外苑西通り、通称キラー通りは、今や自転車乗りのメッカ!
自転車に関係する様々なショップが集まって来ています。

代表的なのが、ロードバイクを中心に扱う大型自転車ショップの
「なるしまフレンド」

駐輪場

お店の裏側には、サイクルスタンド付の駐輪場もあり、
沢山のロードバイクが並んでいます。

パンダーニ

そこから青山ベルコモンズ方面に向かった所にあるのが、
サイクルジャージなど自転車アパレルの「パンダーニ」。
こちらは四谷から移転してきました。

街乗り系のオシャレなサイクルジャージが色々とあります。
普通のだとお店とか入るときに恥ずかしかったりするのですが、
こちらのは、オシャレなデザインなので、
それなりのパンツを組み合わせると、街でもイケます。

バイクフォーラム青山

続いては、ブリジストンのショールーム
バイクフォーラム青山

こちらもバイクラックもあるし、
この日は、ブリヂストンのロードバイク「アンカー」(anchor)への
試乗希望の人達が結構来ていました。

ヤマト自転車

現在、親子自転車展というミニ展示も開かれていて、
ブリジストンのロードマンから、宇宙戦艦ヤマトの自転車など、昔懐かしい自転車が!

ファンライドステーション

ちなみに道路の反対側の小道を国立競技場の方に入っていくと、
自転車ラックとロッカー、シャワーを完備した「ファンライドステーション」が。
自転車通勤でここまで来て、自転車を預けて、シャワーを浴びて会社へ!
…という人もいるようです。
ビジターの駐輪+シャワーは、700円。
駐輪のみは、3時間300円でした。

ファンライドステーションの公式サイトはこちら!

OVE

青山通りを越えて、一つ目の信号を渋谷方面に入った所には、
自転車のパーツメーカー、シマノの経営するカフェOVEがあります。
こちらは、自転車を店内に預かってくれます。

オーブをを訪れた時の記事はこちら
その1(カフェ)その2(イベント)

なるしまフレンドの脇を入った所にはクロモリロードバイク専門のHIP HIP SHAKE
増田屋の路地を入った所には、自転車ショップのPROTECh 青山店

少し足をのばせば、千駄ヶ谷のカフェを併設した自転車屋さん、盆栽自転車店
訪れた時の記事はこちら!

バイクラックとカフェを併設した、ファッションのショップ2[Ni]
訪れた時の記事はこちら!

と自転車関連のショップが目白押しなのです。


より大きな地図で キラー通り自転車MAP を表示

ちょっと自転車関連のお店を地図にまとめてみました。

ワタリウム美術館

さて、キラー通りに戻って、ワタリウム美術館。

メッセンジャーバッグ

こちらはショップを併設しているのですが、自転車関連で言うと、
トラックの幌をリサイクルして作った鞄
FRRITAGのメッセンジャーバッグもあります。

看板

ワタリウム美術館の入り口の所には、カフェの看板も。
第一目的地だったドライブカフェに振られたので、こちらに入ってみる事に。

店内

お店は、ミュージアム併設のショップ、オンサンデーズの地下にあります。
地下というか、吹き抜けの脇のバルコニーのような場所。
このフロアに店員さんはいないので、呼び鈴を鳴らします。
すると、地下から店員さんが駆けつけるというシステム。

ケーキ

この日、頂いたのは「ひっくりかえるケーキセット」
ドリンク付きで850円。

こちらは、ワタリウム美術館で行われている「ひっくりかえる展」に展示されている
「非常口」という作品をモチーフとした、期間限定メニューだそうで、
ならばせっかくなので、展示会も観に行くか…という事に。

ポスター

こちらは、過激で問題作を生み出す、世界の4組のアーティストの作品を展示した物で、
日本代表はChin↑Pom。

彼らの名前は知らなくても、この事件は覚えている人は多いのではないでしょうか?
渋谷の岡本太郎の壁画「明日の神話」へ絵に、
福島原発の絵が付け加えられていたというニュース。

そう、それこそが「Chin↑Pom」の仕業で、
この展覧会には、両面テープで付け足しされた福島原発の絵が展示されています。

絵だけではなく、その行為を行った時のメイキングと、
その後の騒動の様子などが、動画としてVJ風に流されていたのですが、
それを観て、こう思ったのです。
これって、ビートルズのGET BACKじゃね?

最近ビートルズを聴いても、なぜワクワクしないのか?

はじめにお断りしておきますが、
これは僕個人の内部の問題であって、ビートルズを批判する物ではありません。

ここ数年、初めて聞いたときは、あんなにワクワクしたのに、
今聞いても、なんだか心に引っかからないという
原因のわからない気持ちの悪さを感じていました。

もちろん素晴らしいアーティストである事も認識しているし、
名曲だらけという事も、わかります。
僕のまわりはクラシックの演奏家達が多く、
Yesterdayには、名曲の全ての要素がつまっていると言います。
それは認めるのに、なぜワクワクしないのか?

その理由が、この「ひっくりかえる展」を観てわかりました。

僕がドキドキしていたビートルズは、
革命児としてのビートルズだったのです。

今では名曲とされ、お手本のような曲と言われる、ビートルズの作品達。
でも、生まれたときは、革命児であり、
ファッションである長髪でさえ問題になり、
実験的な要素を取り入れ、世間を騒がせてきました。

リアルタイムでビートルズを知らないけれど、
邦楽しか知らない僕が、初めて聞いたときは、
刺激的な要素ばかりでした。

でも、今の僕にとって教科書のように扱われるビートルズは、
人を何人も斬り殺した刀が名刀としてガラスケースに入れられ、
美術館に飾られている状態のように、
ギラギラとした殺気が感じられなくなっていたのだと思います。
たぶんガラス越しに名刀を見るより、
チープなカッターナイフをむき出して突きつけられた方が、
ある意味ドキドキするような気がするのです。

「Chin↑Pom」と「BEATLES」を一緒にするのもどうかと思うけれど、
岡本太郎の絵の騒動をVTRで観たときに、
屋上での「BEATLES」の「GET BACK」
あれは、警官が出動し、街が騒ぎになる事までを含めての、作品だったんだなと。

よくミュージシャンが屋上や109の前でゲリラライブをやりたがるけど、
それは「BEATLES」という教科書をなぞっただけで、
本当の意味での現代の「GET BACK」じゃないような気がします。

まだ、「Chin↑Pom」の方が、今風の「GET BACK」に近いんじゃないかと、
そう思いました。

2ch風にいうと、「Chin↑Pom」は「マジキチ」だと思います。
だけど、偉大なるビートルズも、誕生した当時は「マジキチ」扱いだったハズ。

電球をエジソンが発明した時は、ものすごい衝撃だったと思うのですが、
今、白色電球を見て、スゲーって毎度感動する人って、いないですよね。
音楽に関しても、なんか、そんな感覚にいつの間にかなっていたんでしょう。
上手く説明出来ないのでこの辺でやめておきます。

たぶん、僕が書いている事を納得されない人も多いと思いますが、
僕内部のモヤモヤという事で、どうか許してください。
なんか、そう思った事を、感想文として書きたかっただけなのです。

非常口

さて、話しは大きくそれましたが、
ケーキの図案ともなっている「Chin↑Pom」の「非常口」という作品。
これは、ワタリウム美術館の2階の壁をガソリンで実際に燃やし、
そこに描かれたいた非常口の絵の、
人が美術館から道路を挟んだ向かいの壁に逃げ込んだというコンセプトの物。

美術館の2階には、ピクトさんが逃げした空の非常口のマークが描かれ、
その窓から、道路を挟んだ向かいの絵が見えるようになっています。

Pocket
LINEで送る