居空間(練馬)

居空間

遠足や運動会の朝、雨だった時の、あのガッカリ感が久々に蘇りました。

目が覚めると、窓の外で水しぶきを上げて走る車の音がします。
まさか!
だって昨日の天気予報では、午後3時頃から雨の予報だったハズ。
だから今回は午前中に三宿あたりまで行って、
ランチを食べたら戻ってくる予定だったのに…。

窓を開けたら小雨が降っていました。

さすがに雨が降っていては、自転車はね。
子供の時のようなガッカリ感が、重く体にのしかかってきました。

毎週、週末には出かけていたせいか、それでも諦められません。
雨は小雨で、やんだり、降ったりしています。
空模様を眺めながら、雨の切れ間をぬって出かける事にしました。
練馬のジムに行くついでに、近くのカフェに寄ってみることに。

…という訳で、今回、ママチャリでやってきたのが練馬の「異空間」です。

一杯飲み屋の並ぶ長屋のような建物ではなく、その奥。
駐車場の右手の青い屋根の上に看板だけが見えます。
あの平屋の古民家を改装したカフェです。

路地

この細い路地を入っていった所にあるのですが、門の所からでは、まだ見えません。
この看板がなかったら、一見さんはお店の存在に全く気がつかないでしょう。

玄関

あの細い路地を歩いて行くと、奥にひっそりとお店があります。
アジアの民芸品などが飾り付けられて、ちょっとオリエンタルな感じ。
ここは、エスニックを中心とした創作料理の食べられるお店です。

店内

玄関で靴を脱いで中へ。
和とアジアのテイストが融合したような店内。
外の喧噪を忘れるような落ち着いた空間です。

カオマンガイ

アジアンな料理が色々とあるのですが、頂いたのはカオマンガイ、800円。
プラス200円でソフトドリンクがつけられます。

海南鶏飯とかチキンライスなどとも呼ばれる事もあるのですが、
鶏のスープで炊いた御飯に、茹でた鶏が添えられるというもので、
マレーシアやシンガポールでポピュラーな御飯。
このお店では、茹でた鶏と揚げた鶏の中から、どちらかをチョイスするスタイルです。

あっさりとしていながら、旨みの染みこんだ御飯。
まずはそれを一口。

お次に、後ろに見える三色のタレに鶏を漬けて食べます。
左から、生姜ソース、チリソース、ガーリック醤油。
それぞれの味の変化を楽しみましょう。

お好みでパクチーを散りばめれば、さらにエスニック度がアップし、
憂鬱な雨のことなど忘れ、楽園モードにフェードイン。
なんだか、だんだん楽しくなって来ました。
出てきて良かった。

■居空間
東京都練馬区豊玉北5-32-2
■営業
cafe
11:30~15:00(月〜金)
12:00〜15:00(土)
dinner
17:00~24:00(月〜日)
■定休
日祝のcafeタイムだけお休み
場所はこのへん
お店のサイト

この後、雨で遠出が出来ないので、ジムでエアロバイクを漕ぎました。
テレビが見られたり、音楽が聴けたりするけど、
やっぱ本物のに比べたら、ちょっとつまらない。
新青梅街道なみの単調さ。

やっぱり遠出したい!
この3連休の1日でもいいので、晴れますように。

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自由学園明日館(池袋)

自由学園明日館

バミューダトライアングルという言葉があります。フロリダ半島と、プエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海域は船舶や航空機が忽然と消失するという伝説のある、不思議な場所。

それとは、ちょっと違うのですが、JRの池袋と目白、西武池袋線の椎名町を結ぶこのトライアングルも、少し、不思議な場所です。

3つの駅に囲まれていながら、何があるかあまり知られていない場所。道が入り組んでいるので、車で通りかかる人も少なく、大通りからは、道を挟んだ奥にあるので、駅から足をのばす人も少なく、偶然、通りかかるのは、自転車でぶらぶら散歩している人ぐらいでしょうか。

後ろに見えているのは、池袋西口のホテル・メトロポリタン。こんなに近いのに、この自由学園明日館も、あまり知られていないものの1つです。ちなみに、明日館と書いて「みょうにちかん」と読みます。

帝国ホテルを設計した、アメリカが生んだ巨匠フランク・ロイド・ライトの設計により1921年(大正10年)に、建設された建物で、国の重要文化財にも指定されています。

実はこの建物、内部も見学が出来ます。この建物の右手に受付があり、見学のみは、400円。その他に、喫茶付見学というのもあり、こちらは600円。

…という訳で、喫茶付見学をする事に。

食堂

現在、自由学園は西武池袋線の、ひばりヶ丘に移転していますが、こちらは、記念館的な存在として、動態保存されています。動態保存とは、使いながら保存するという形式。

なので、こちらで結婚式なども行われたりします。

もともとキリスト教の学校としてスタートしたためか、どこか教会を思わせる作り。

ホール

喫茶が楽しめるのは、こちらのホール。ちょうど、建築学を学んでいる大学のゼミの生徒たちが、ガイドに案内されながら、館内を見学していたのですが、それに便乗して、ガイドを盗み聞き。

その説明によると…。ホールの入り口を中二階にして、わざと天井を低くしているのは、設計者フランク・ロイド・ライトの隠しワザの一つであるそうです。

それは、低いところを抜けてくる訳だから…。

大窓

それを抜けてホールに出ると、天井が高く、広さと開放感を感じるという演出。確かに、ゆったりとした雰囲気で、妙に落ち着く空間です。

椅子

ガイドさんによると、この椅子も、古い歴史をもつもので、美術館などが、展示のために借りに来る事があるそうです。その展示の時には、ガラスケースに収められ、大切に展示されるものを、こちらでは、動態保存という観点から、使いながらメンテナンスをしているそうです。

喫茶

アイスティーとクッキーを頂きながら、静かに流れる時間に、身を任せました。礼拝を行っていた場所だけに、なんだか厳かな気持ちにもなります。

重要文化財なので火気厳禁で、禁煙なのも嬉しい。

ショップ

明日館の敷地内には、ショップもあります。自由学園の工芸研究所の中から生まれた、バッグや衣類、文具などの商品が。

講堂

道を挟んだ反対側には、講堂があります。この日は、ピアノの演奏があり、それを自由に聞くことが出来ました。

■自由学園明日館
■東京都豊島区西池袋2-31-3
■見学:10:00~16:00
■休館日:月曜(休日の場合翌日)
場所はこのへん
自由学園明日館公式サイト

土日は、結婚式が行われる為に、中には入れず外観のみの見学。その他、日にちによって限定見学が多いので、公式サイトのカレンダーをチェックしてからお出かけください。

関東大震災、第二次世界大戦と、焼け野原になった池袋。なのに、なぜかその被害や戦火をくぐり抜けて来たこの建物。もしかして、パワースポット?

大けやき

さて、自由学園明日館から、また少し路地を入ると、今度はこんな光景が。大きな木の下に並ぶ、家々。

蔦の家

蔦に覆われた家。都会の中を密かに植物が這い出しはじめたような、ラピュタの天空の城とか、遺跡のような雰囲気。

ツリーハウス

反対側にまわってみると、家の間にそびえ立つ、大きなケヤキの木。まるでツリーハウスのようです。

池袋のすぐ近くにこんな場所があるなんて。やはり、このトライアングルには、何か不思議な力が働いているような気がします。

踏切

テレビや舞台の用語で、風景などの絵が書かれたセットの事を「書き割り」と言います。風景に見えるけれど、実はペラペラの板一枚。

電車から見える風景って、この書き割りのような存在なのかもしれません。実は表面を見ているだけで、その裏に何があるのか、多くの人は知りません。

西武池袋線の踏切の奥に見える、森。これも、その一つだと思います。電車からは見落としてしまうし、車は通れない踏切。ここを通るのは、自転車と歩行者。

白壁

踏切からは、長い白壁が続きます。

目白庭園

この塀の中にあるのが目白庭園。豊島区の公園で入場料は無料です。

池

一日、何万人という人を乗せた電車が、あの踏切を通るけれど、その奥に、こんな庭園があると知っている人は、どれだけいるのでしょう?

東屋

手前に見えるのはモミジで、紅葉の時期は素晴らしい景色になる事は間違いありません。

散歩道

山道のような散歩道があったり…。

滝

途中には、滝も。そこにかかるのはモミジ。

ここは京都じゃありません。くどいようですが、西武池袋線のすぐ脇です。

赤鳥庵

茶室のような赤鳥庵の下には、ベンチが置かれていて、ここがカップル達にとっての、穴場中の穴場のデートスポットです。

庭園

そのベンチから見える風景がこれですもの。

あの木々の後ろ10メートルもしないような場所を、西武線が走っている訳です。西武池袋線利用者なら、この驚きがわかるハズ。

赤鳥庵

庭園を見下ろす「赤鳥庵」は、茶道・華道・句会・碁会などの趣味の集まりを中心に、各種会合に利用できます。

芝生

木々に囲まれた小さな芝生の広場では、若いカップルが並んでお話していました。ここを知ってる、あのカップル。そして、こんなデートをしている二人。きっと、幸せになれると思う。影ながらお祈りしています。

■目白庭園
■東京都豊島区目白3-20-18
■開園
庭園:9:00~17:00(7月、8月は19:00まで)
赤鳥庵:9:00〜21:00
場所はこのへん

赤鳥庵の利用は事前に申し込みが必要です。

目白庭園公式サイト

電車や車じゃ見つけられない風景。だからチャリ散歩は、面白いのです。

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