広瀬すずさんの映画で一番好きなのが「ちはやふる」です。2016年「上の句」「下の句」と2部作が公開され、今回が完結編の「ちはやふる -結び-」。
自分は、中学時代も、高校時代も、運動部の部活を途中でドロップアウトしているので、やりきったという青春時代の達成感を味わった事がありません。だから、この物語に没入して、擬似的に部活を味あわせてもらいました。映画を見る時って、登場する人物の誰かに感情移入する見方と、第3者的に俯瞰で見る見方があると思いますが、この映画、青春映画なのに、見事に感情移入出来るのですよ。
主人公は、広瀬すずさん演じる「綾瀬千早」なんだけど、今回は、野村周平さん演じる「真島太一」の目線で、物語が進んでいきます。不思議な事に、ただのおっんである自分が、このイケメン俳優の野村周平さんに、感情移入出来るのですよ。そして、広瀬すずさんに恋してしまうのです。脳内VRってスゲー。俺の想像力も、まだまだ捨てた物じゃない!
たぶん、放送作家の仕事として、台本を書くときに、20代のアイドルやモデルさんから、50代のベテラン声優さんまで、脳内でその人になりきって、その人の声を頭に浮かべながら、こういう事を言いそうと、文章を打っていくので、なりきり変身モードが身についているんでしょうね。
そして、番組を脳内でシミュレーションする時、こういう事を言うと、あいつの性格だとこういう反論をしてくるので、こう説得しよう。でも、あいつなら、また意地張ってこう言ってきそうだな。と想像しているうちに、ただのシミュレーションで、本人はまだ一言も発していないのに、めちゃめちゃ腹が立つ事もあります!実際は、まだ何も起きていないのに。
役者さんで、役が降りてきて憑依するという方いらっしゃいますが、作家でも、役や人が憑依する事があります。登場人物が多いと、もう多重人格になってしまいます。
話は大きく逸れましたが、この映画、メチャメチャ感情移入出来ました。おかげで、最後は、すっきりする事が出来ました。「ちはやふる」は、シリーズ3本とも大好きな映画です。