アメリ

自転車が舞台の映画に続いて、
カフェが舞台と鳴っている映画も取り上げてみたいと思います。

原題は「Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain」で
「アメリ・プーランの素晴らしい運命」という意味。
監督は、ジャン=ピエール・ジュネ。
パリのモンマルトルのカフェを舞台にしたフランス映画です。

きっとこの映画が嫌いなタイプな人
船が沈んだり、隕石が落ちてきたり、テロ組織が核兵器を奪ったり、
ど派手な映画が好きな人。
勝間和代を信奉している人。
昔、学級委員だったり、PTAの役員で規則を守らせる側の人。

きっとこの映画が好きになる人
森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」にワクワクした人。
「かもめ食堂」にクスリとした人。
「バグダットカフェ」にジーンと来た人。
クレラップのCMの女の子が可愛いと思う人。

小さなドラマが好きな人には、とてつもなく面白い作品。
映画でありながらナレーションベースで進められていき、
小説を読んでいるような感覚にさせられる映画です。

見た瞬間というか導入部分ですぐに頭に浮かんだのがこの作品です。

ブラックユーモアが随所に散りばめられているので、
素直すぎる人が観たら、ただの悪ふざけにしか見えないかもしれません。
が、妄想癖のある人が観たら、それを実現したらこうなるという
人間の闇の部分も面白く描いている事がわかると思います。
脳内にある物を描いたらこうなった…という感じ。
スターウォーズの正義とダークサイドみたいな大きなもんじゃなく、
小市民的な「あるあるネタ」の闇です。
ハッピーエンドだってホントは妄想かもしれないし。

ところで、アメリの舞台となっているのは、
パリのモンマルトルにあるカフェ「カフェ・ドゥ・ムーラン」。
ココに集まる、ちょっとダメな人、ちょっと変な人が交差するお話。
主人公のアメリもトラウマを抱えてストレートに自己表現出来ないのだけど、
人と交わる事で、少しずつ心の殻をやぶっていきます。

検索してみると、パリ旅行のついでに聖地巡礼みたいにして、
このカフェを訪れたアメリ好きの人達のブログが数多くヒットします。

日本でカフェが舞台の映画やドラマって何なんでしょうね。
その昔は、常連が集まる喫茶店が舞台という物語ありましたが、
今は距離感が欲しくて喫茶店よりカフェに行くわけだから、
物語としてはリアリティーが少ないのかな。
それとも、直接はふれあわないけど、
かすりながら生まれている物ってあるのかな?

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メッセンジャー

お正月でお店がやってないので、久々に自転車が舞台となっている映画を観ました。
「私をスキーに連れてって」のホイチョイプロダクションが作った自転車映画です。
主演は草彅剛さんと飯島直子さん。

1999年の作品なのですが、その当時から自転車の時代が来る事を提唱していて、
この時代に、
「バイクで書類運んでるの日本だけ。いずれ自転車の時代が来る」
と言い切っていて、確かに宅配便まで一部自転車に以降していたり、
営業車が営業自転車に替わって来ている時代を考えると、
時代の先取り感はスゴイと思います。

ただホイチョイの作品の多くがそうなのだけど、
ディティールには細かくこだわる割に、ストーリーや演出が平凡で、
B級映画という色は隠せません。

でも、今の自転車事情と比較する上で、
当時の自転車事情の最先端が見られるので、非常に興味深い作品です。
予見できなかった時代のズレというのもあり、
それもツッコミ所として面白い。
もし今だったら映画としてはNGな部分も多く、そんな所を拾ってみました。

■エキストラか本物なのかわかりませんが、
右側を逆走してくるメッセンジャーが映り込んでいます。

確かに今も車道を逆走してくるママチャリは多いのですが、
KEEP LEFTが叫ばれている今、プロがこれをやったらOUTでしょう。
自転車は軽車両なので、車と同じ左側通行です。
右側を走って事故った場合、
ママチャリであろうと自転車の過失となりますので、気をつけて。

■鍵をかけずに自転車から離れる

あんな高級な自転車に鍵をかけなかったら、一発で盗まれるでしょう。

■車道の真ん中を走る

今もたまにこういう人も見かけるけど、無謀すぎる。

■バーで酒を飲んでから自転車で家まで帰る

自転車でも飲酒運転なのだから、今だったら批判が殺到するシーン。
当時は自転車ならOKという意識だったのでしょうか。

その他、ネタバレするので詳しくは書きませんが、
自転車が走ってはいけない所を走っているシーンが多数。
もちろん映画のウソという事で、エンターテイメントとして描いている所もありますが。

などなど、今となってはツッコミ所満載の映画なのですが、
自転車対バイクの戦いになると、
自転車好きだけあって、自然に自転車側に感情移入して見ちゃいました。

加山雄三さんも出演しているのですが、
若大将シリーズを、当時、今風に描いたらこうなったという娯楽映画です。

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