オーブ(外苑前)

表参道

暖かくなったので、久々にチャリ散歩。
代々木公園を経由して表参道方面へ。
自転車がブームのせいか、この付近は非常に自転車乗りが多いのですが、
ちょいと困った問題も一つ。

ファッション性が高いということで、
ノーブレーキのピストと呼ばれる自転車に乗っている人が多いのです。
ブレーキがついていないので、ペダルを調節して止まるのですが、
どうやら徐行が難しいらしく、赤信号にひっかかるとフラフラ…。
さらに、止まりたくないらしく、信号無視。
同じ自転車乗りとして、非常にいただけない。

案の定というか、この日、青山通りで、ピストと車がぶつかって
パトカーが来ていました。
幸い大きな怪我にはならなかったようですが、
でも、ノーブレーキの自転車による事故というのは増えているそうなので、
絶対にやめて欲しいです。

ベルコモンズ

その青山通りから、ベルコモンズの所で外苑西通りへ。
日曜日だったのもあってか、この付近、結婚式帰りの人がメチャ多い。
レストランウエディングなどの会場も多く、
なにげに結婚式場通りと化しています。

青山迎賓館

さらに、外苑西通りから路地を入ると、どどーんと白亜の殿堂、青山迎賓館があります。
こちらも結婚式場。
ゴージャスな雰囲気が漂っているのですが、
結婚式場って、どこかラブホと共通するセンスがありますよね。
わかりやすいゴージャスにしようとすると、
ギリシャ建築とかロココ調とかになっちゃうんでしょうか?

OVE

さて、今回目指したのは、その結婚式場ではなく、
こちらの向かいにあるカフェ「OVE(オーブ)」です。

自転車

こちらは、ぜひ、来てみたかったお店。
店内にチラっと自転車が見えるかと思うのですが、
自転車のパーツメーカーであるシマノのアンテナショップで、
自転車文化とカフェを融合させた、まさにチャリカフェな訳ですよ。

自転車

エントランスまで自転車を押していくと、コンシェルジュのような方が出てきて、
店内に自転車を止めてくれます。
盗まれる心配もないので、自転車乗りにはホントに嬉しい。
さすが、シマノのお店!

オープンキッチン

自転車乗りにも優しいカフェでもあるのですが、
このご近所に住む、ちょとセレブな方々にも人気のお店。

オープンキッチンで、オーガニックなどにもこだわっているせいか、
休日ランチを楽しむ、女子のお一人様も多数。

シマノがやっているのですが、個人店のような雰囲気で、
常連さんと、お店の方が、楽しげに歓談していたりします。

店内

自転車を預けたというのもあって、接客の時に
「今日は、どちらを回られてきたんですか?」と、話しかけてくれたり、
チェーンや企業系のマニュアル接客じゃなく、心の通った暖かい感じなのです。
なんだろう、初めて来たのに、なんだか常連さんになったような気分です。

野菜のカレー

頂いたのは「野菜のカレー」コーヒー付でジャスト1000円。
野菜はオーガニックで、トマトの酸味が効いています。
なので、カレーというよりイタリアンみたいな雰囲気。
でも、隠し味には昆布や味噌を使っているという、和のテイストもあり、
どことなく優しい味に。

御飯は穀物系なのですが、これを食べて思いました。
イタリアンも素材の味を生かす料理だから、
イタリアンメニューに、五穀米とか十穀米とか合わせても合うね、たぶん…。

カレー

コーヒーを頂きながら、またお店の方と雑談。
これから青山の岡本太郎記念館に行くという話をしたら、
「あ!あそこケーキが美味しいんですよ!もし別腹でもし入るんでしたら」
と、勧めてくれました。
それは食べるしかないですね。

帰りは道路に出るまで、玄関でお見送り。

久々に天気も良く、気持ちいいチャリ散歩だったのですが、
素敵な接客で、さらに気持ちのいい休日が過ごせたのでした。

■OVE
■東京都港区南青山3-4-8 トレディカーサ1F
■営業
10:00-19:00(L.O.18:00)
11:30-14:00(ランチ)
■定休日:月曜(祝日の場合翌火曜)
場所はこのへん
お店のサイト

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サイドカーに犬

芥川賞作家・長嶋有の同名小説を竹内結子主演で映画化。
80年代初頭を背景に、小学4年生の少女・薫と、
自転車に乗って突然やって来た父親の愛人・ヨーコが過ごす刺激的なひと夏を
ノスタルジックに綴る。

家出した母親の代わりに御飯を作る為、父親に頼まれてヨーコさんがやってくる。
自転車に乗って。

「この自転車高いんだ!ドイツ製」
というのは、緑色のクロモリフレームのドロップハンドル。

革ジャン着てバイクにまたがらなくても、
歌舞伎町のキャバレーで働かなくても、
竹内結子さん演じるヨーコさんが、ドロップハンドルの自転車に乗っているだけで、
十分ハードボイルドに見える。
そしてこれがこの映画のキモだったりします。

ストーリー自体はそんなに起伏のない、どこかにありそうな話。
最近、この手の映画が好きでよく見るのだけど、
自分でもなぜ好きなのかはわかりませんでした。
でも、この映画を見て、わかったのです。

歯が溶けると母親に禁止されているコーラ。
その話をすると、ヨーコさんは鼻でわらい「飲んでみな」と缶を渡す。

そんな風に、母親がいなくなってから、親に禁止されていた事が次々と解禁となる。
無理と思っていた事を「やってみなって」と背中を押される。
普通の生活の中に潜む、小さな冒険が次々と生まれるのです。

大人になった今…
「ラーメン屋に一人で入るのなんて無理」
「個人経営の喫茶店なんてわけわかんないから、スタバがいい」
そういう人に、ヨーコさんならきっと笑いながらこういうだろう
「入ってみなって!美味しいぞー」

「リア充」なんて言葉が生まれるのは、
リアルが充実していない人が、山ほどいるからだ。
ここの所、こういう映画が多く作られるのも、
買い食いだの、日常の中の小さな冒険でさえした事がない人が多いから、
そんな小さなイケナイコトが、人をドキドキさせるからだろう。

それまで自転車に乗れなかった少女に、ヨーコさんが言う。
「自転車乗れるようになると世界かわるよ〜大袈裟じゃなくてホントだから」

今でこそ、ドロップハンドルやクロスバイクに乗るチャリガールは普通にいます。
でも、でもこの映画の世界である30年前には、そんな女性はほとんどいなかったハズ。
だから、ドロップの自転車に乗って颯爽とあらわれるヨーコさんは、
とても、カッコいいのです。

そして、ヨーコさんのセリフをまねてこう言おう。
「ロードやクロスに乗れるようになると世界かわるよ〜大袈裟じゃなくてホントだから」

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