Spicy cafe カイマン(新中野)

カイマン

最近、暑いし、ブログに自転車の写真も写らないし、「自転車乗ってますか?」と聞かれる事が多いのですが、ミニベロには乗っています。
右下にチラりと写る赤いバーテープが僕のミニベロ。遠出した時は、「ここまでチャリで来た」的に自転車の写真入れますが、新中野ぐらいで、いちいち写真撮るのもなあ…という感じで、あまり撮りません。

一応、暑さ対策として、速乾性のドライTシャツとパンツ、直射日光対策でキャップ。サコッシュには、水とタオル。というスタイルで、ポタリングしております。

この日は、新中野の気になっていたカフェ「カイマン」へ。

店内

ブックカフェのように本が沢山並んでいるのですが、ぱっと手に取ったのが橋本治さん。昔、「桃尻娘」とか読んでいたなあ。懐かしい。女子高生のしゃべりを文体にして小説を書いた物で、今でいう「桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウさんの、源流のような感じですが、当時は掟破りような賛否もあり、話題となったのを思い出しました。

あの当時から、軽い文体の本が好きだったんだよなあ。

そこで、ご主人に「軽い文体で、楽に読めて、クスっと出来るエッセイのような物、オススメありませんか?」と聞くと、色々候補を挙げてくれた上で、土屋賢二さんをオススメされました。お茶の水大学名誉教授で哲学者。柴門ふみさんの大学時代の先生です。

家に帰ってから、さっそくKindleで、エッセイデビュー作を読んでみました。

最初の章「今日からタバコをやめられるーでなくも禁煙をやめられる」んー、文章は面白いんだけど、題材が時代じゃないなという印象。それもそのはず、1994年の作品だったのです。

当時の男性の喫煙率は、59.0%、女性が14.8%。セブンスターが220円の時代で、喫煙天国だった頃の話です。だから、「健康の為にやめなきゃ」といいつつ、「禁煙なんか簡単にできる!もう10回以上した」という禁煙ギャグが定番だった時代です。

当時は僕も喫煙者でしたから、その頃に読めば、「わかるー」と笑い転げていたに違いありません。

それが2018年の10月からセブンスターが500円に値上げされ、男性の喫煙率は、27.8%。女性は、8.7%。2年後から、飲食店での喫煙が認められない「受動喫煙防止条例」が施行されるという、このご時世。タバコをやめられない理由(ユーモア)が、笑えなくなっているのです。その他の項目も、題材が古いし、本来はパロディーなのに、パロディーにならなくなってしまっています。

この本の題材ではないけど「部活の時に禁止されている水を飲む方法」というのも、当時だったら面白いハズなんだけど、今となっては、「水禁止」が無知なバカ監督の命令でしかないので、まず、水禁止が笑えない。あの時、水を禁止にしてたラグビー部の監督とか、今、どつきたいですもんね。

そこで、比較的新しい本を読んでみる事にしました。

2013年の作品で、小さな人生相談のような物を集めた作品。有吉マツコの「かりそめ天国」に投稿されるような人生相談。「新幹線の肘掛けを、自分の物だと主張できない」的な、小さなお悩み。

よかった。こっちは時代と乖離して無くて、面白く読めました。

カイマンカレー

作家の文体の話をしながら頂いたのは、カイマンカレー700円に、アイスコーヒー200円をつけました。カレーは3種類から選べて、チキン&ふわふわ玉子。最近食べ続けていた刺激的なスパイスカレーとは違い、ふわふわの玉子が、やさいしいカレー。「夢眠」や「チャオカレー」の、チキンエッグみたいな系列です。

ランチの遅めの時間で、ご主人と僕とで、文学とか、映画の話をたっぷりと。初めてのお店なのに、行きつけの喫茶店のような感覚。いいなあ、ここ。居心地がいい。

■Spicy cafe カイマン
■東京都中野区本町6-12-10
■営業:
11:30〜14:30
17:30〜23:00(水金土のみ)
■定休日:月曜
場所はこのへん
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ムトウ コーヒー ロースタリー (中野)

MUTO

カフェや喫茶店で、隣の人の会話が耳に飛び込んで来る事は多いですが、女性のお客さんで、コーヒー自体について語り合っている場面に、出くわす事はあまりありません。
多くの場合は、恋の話だったり、近況だったりという会話がメインで、コーヒーは美味しければそれでいいという感じなのですが、この日は珍しく、両隣にいる女性のお客さんが、コーヒー自体に興味を示して、お店のご主人に質問をしていました。

中野の丸井裏にあるムトウは、美味しいコーヒーのお店としてコーヒー好きには知られていますが、もしかして、そんな評判を聞いて、訪れたのでしょうか?

ガトーショコラ

僕がここに来るときは、中野の美容室で髪を切った時。エチオピアのナチュラルと、ガトーショコラというのが定番です。いつものように、ナチュラルの果実味、甘味を楽しんでいると、右隣の女性が、焙煎機の横に置かれている麻の袋を指さし、「この袋にコーヒー豆は、どのような状態で入ってくるのですか?」と、ご主人に尋ねました。

「袋には生の豆の状態で入ってきて、それを、隣の焙煎機で焙煎します」そして目の前の瓶に入ったコーヒー豆を見せて「その焙煎の方法で、深く焙煎すると、このような濃い色になり、浅く焙煎すると、このような色になります」と、ご主人。

「あまり詳しくないのですが、飲みやすいのはどれですか?」「だったら最初は深煎りじゃなく、中煎りぐらいの、これとこれですかね」

懐かしい…。このブログを始めたばかりの頃って、僕もコーヒー詳しくなくて、同じような事を聞いていたなあ。

その時の記憶は鮮明で、板橋区の志村三丁目にある、カフェ・ベルニーニに行った時の事です。ハンドピックした雑味の無いコーヒーの味に驚き、ご主人にあれこれコーヒーの事を質問攻めにしていました。探したらやはり興奮してそのことを書いていました。2010年、8年前か。自転車はまだGIOSだったんだなあ。

さて、今度は左隣の女性。注文したコーヒーを出された時「ミルクはお使いになりますか?」と聞かれ、「結構です」と答えた後に、しばらく考え込み、「あの…。もしかして…。このコーヒーはミルクを入れた方が美味しいのでしょうか?」と、尋ねました。

ご主人は、ちょっと慌てて「ああ、ちがいます。一応聞いただけです」と答えました。

僕も隣にいましたけど、「美味しいんならその通りにしてみますけど」的な殺気というか、探究心を感じました。

もう700軒以上カフェや喫茶店をまわっていますが、こんなにコーヒーについて熱心に質問している所に出会ったのは初めて。サードウェイブのブームの時にも、お目にかかりませんでしたが、なんか、新たな波が起きているのでしょうか?それとも、単なる偶然ですか?

■MUTO coffee roastery(ムトウ コーヒー ロースタリー)
■東京都中野区中野3-34-18
■営業:11:00~20:00
■定休日:木曜
場所はこのへん
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