チャオ ベッラ チンクエッティ TSUTAYA O-WEST

渋谷

いやー、久々に凄いライブ観たな…というのが、素直に出て来た感想。ツイッターのTLにも、観た人達の絶賛ツイートが並んでいます。

うちの番組のDJを務めてくれている、岡田ロビン翔子さんが所属するアイドルグループ、チャオベッラチンクエッティの秋ツアー初日の夜を観てきました。

正直、今回は彼女達の力が試されるライブだったと思います。

今年、ポッシボーから改名し、チャオベラになった彼女達。そして改名の直後、メンバーの1人が卒業という波乱。

実力メンバーの卒業で、ポッカリと空いた穴。
それを埋めようと、歌割りやフォーメーションを変え、必死でやってきた4人のメンバー。

それでも、推しメンが抜け、戸惑っているファンがいて、そこを、必死で支えようとしているファンもいます。

この秋ツアーが、4人の新体制になってからの、新たなスタート。
この4人で、今後、本当にやっていけるのか、自分の目で確かめたいという気持ちの人が多かったのでしょう。昼、夜の公演ともにSOLD OUT。

まだツアー初日なので、ネタバレしないように内容は書けないけど、たぶん、ファンが想像していたライブの、はるかかなた上を行くライブをしてみせました。しかも、1曲目から。

5人時代だった時の穴を、4人でちゃんと埋められるのか?会場に集まったファンは、それを見守る心の準備をしていたと思います。

だけど、いい意味で裏切ってくれました!彼女らは、埋めるんじゃなく、新たな4人の形で勝負しました。
新曲と共に。そして、これまでに観たこともないような、激しいダンス。エモーショナルなコール&レスポンス。1曲目で、皆の不安が吹き飛び、会場は爆発しました。

不安が無くなれば、あとは純粋に楽しむだけ!その熱量は、最後まで続きました。

番組制作スタッフとして、身内を見守るという気持ちもあったけど、アイドルのコンサートを観ているというより、スポーツ選手を応援するファンの気持ちに近かったような気がします。

自分のひいきのチームが、いい試合をして勝利!そんな感じ。試練に打ち勝った瞬間を見届け、ライブの終了後は、勝利に酔いしれるような、心地よさがありました。

Pocket
LINEで送る

つんく♂「だから、生きる。」

だから、生きる

今年は父親の最後を看取っているので、
生きるという事を深く考えさせられる年となっています。

そんな中で読んだ、つんく♂さんの書いた「だから、生きる」が、
心にズシっと来ます。

さらに僕は、ハロプロにまつわるお仕事もさせて頂いてて、
コンサートなどにもご招待して頂き、つんく♂さんの挨拶や声も聞いているので、
本に書かれている時系列が鮮明に甦り、少し胸が苦しくもなります。

この本の第一章は、「予兆」と題し、
2013年8月スタートの「シャ乱Q結成25周年ライブツアー」を行うに当たって
喉の不調と向き合う事になった事が書かれています。

ご本人も、その前から歌を歌う時に声が出にくくなっていたと、
振り返っていますが、ハロプロ好きでライブに通っていた皆さんなら
この頃の声の不調は、気づいていたんじゃないでしょうか?

2013年5月19日に日比谷野外音楽堂で行われた
「Hello! Project 野音プレミアムLIVE ~外フェス~」
ここでBerryz工房の武道館発表の為に現れたつんく♂さん。

ステージで各グループへのダメ出しを順にしながら、
「そして俺!今日も喉ガラガラになってます」
と、自分にダメ出ししています。

その時に僕も「さらに声が荒れたなあ」と思った事を覚えているので、
たぶん、そのもっと前から、声の不調は現れていたと思われます。

シャ乱Qのコンサートツアーの合間に行われた
9月10日の℃-uteの日、武道館コンサート。
お客さんが退場してからの関係者挨拶につんく♂さんが現れ、
声が出ないのを侘びながら、来場した関係者にお礼を述べていました。

最後、℃-uteのリーダーである矢島舞美さんが
「また、武道館に立てるように頑張ります」
と、挨拶すると、つんく♂さんは
「同じでいいの?」
とツッコミ、矢島さんが慌ててて
「あああ、あの横浜アリーナとかでも」
と、言ったのを鮮明に覚えています。
その後、℃-uteは横浜アリーナSOLD OUTを実現させます。

ページをめくりながら、そんなシーンが甦ります。
ああ、あの時か。
そうか、あの時だったのか。

本は何章かに分かれているのですが、
●喉の不調から癌と発覚するまで
●癌と闘う日々
●若い頃の不摂生、セカンドオピニオンを受けなかった後悔

最初は癌が発覚してからの、つらい日々が綴られていきます。
ところが、この本、読んだ後は、力強く前向きに、
そして少しHAPPYな気持ちにさせられます。

声を諦めても「だから、生きる」と決めた理由。

どれだけ素敵な奧さんと出会って、
可愛い子供に恵まれて、
どれだけ愛しているのかが、熱く綴られているのです。

独身時代は、
女をコンサートに連れてくるバンドマンはダメだ。
女の為、プライベートを優先させるヤツはロックじゃない。
そんな、ロックミュージシャン像を持っていたつんく♂さん。
それが、いかに薄っぺらい考えだったか、
心から愛する人と出会って、自分が変わって行った様も正直に書かれています。

モーニング娘。’14のニューヨーク公演、
医者に止められているにもかかわらず、つんく♂さんは観に行く決断をします。
これを見ないと、この後に訪れる山を越えられない気がしていたのです。
家族のために生きるという、大きな山。

自分の作った曲がニューヨークに流れている。
自分の作ったグループが歌い、現地の人達が熱狂している。

それを確認した後、帰りの飛行機の中、
自分の中で「歌手つんく♂」とのお別れをします。

そして、娘さんにこう言いました。
「お父さんの声、もうすぐ無くなっちゃうかもしれない」
「小さい声なら歌えるようになる?」
と聞き返す娘さん。
「そうじゃなく、もうずっと歌えなくなる。
 だから歌を教えてあげる事も出来なくなっちゃうな」
すると娘さんは、こう話しました。
「わかった。じゃあ私がお父さんの分まで歌うね」

ゲーム『リズム天国 ザ・ベスト+』の作中で使われている曲『I’m a lady now』
これを歌うのは、当時6歳だった女のコ「Hotzmic」
この映像は公式にはアナウンスされていませんが、
つんく♂さんの娘さんでは?と、噂されているものです。

モーニング娘。’14のニューヨーク公演を観て、
誰かの体を分身のように借りて、
まだまだ音楽表現が出来る事を確認した、つんく♂さん。
だから声を失っても「生きる」事を選択しました。

本を読んだあと、最近子供が生まれた友人夫婦の顔が思い浮かびました。
そんな人達にも読んで欲しい本です。

Pocket
LINEで送る