年越しは飲んだくれて過ごす予定でした。
それが何故かタイトルの通り、サイクリングに出かける事に。
きっかけは女友達。
一緒に富士登山とかする女性の飲み友達がいるのですが、
彼女の年末恒例となっているのが、「自転車日の出暴走」。
折りたたみの自転車で海まで一人で自走して、日の出を拝み、
帰りは輪行して帰ってくるという物。
1年目は、江古田から犬吠埼、2年目は三浦海岸の城ヶ崎。
そして、今年も出発したというお知らせが届いたのです。
写真には江戸川を渡る自転車が。
今年は房総半島方面か…。
と何となく思っていたのですが、なぜだか自転車に乗りたい気持ちがムクムクと。
さすがに寒いし、バカな事は考えないでやめておこう!
…と思ったのですが、気がついたらサイクリングに出かける準備を終えていました。
僕の場合、ロードレーサーに乗る人達のようなサイクリングジャージ系ではなく、
ポタリングと呼ばれるお散歩系なので、
富士登山で使ったゴアテックスやフリースを引っ張り出してきました。
そしてちょうど0時となった所で家を出て、
江古田の新春の名所、干支の壁画からサイクリングロードをスタートさせました。
中野、下北沢、三茶、自由が丘と通った後、
環八から第2京浜と経由して、多摩川を渡りました。
今回の目的は、自転車で東京湾一周!
こんな冒険旅行なんて、学生時代に済ませておけよと思うのだけど、
この自転車に乗ると、なんだかそんな少年時代の気持ちが蘇るのです。
というのも、田舎にいる頃、ブリジストンのロードマンという自転車に乗っていて、
夏休みにはちょっとした冒険もしたし、
それはそれは、大切にして、ピカピカにしていました。
ところが、夏休みに帰省したときに、自分の自転車がない事に気づきました。
「あれ?オレの自転車は?」
「ああ、もう乗らないと思って売った」
通学用の自転車だったので、上京したらいらないと思って売ったとの返事。
中古だけど状態がいいって事で、欲しいという人がいたのだそうです。
そりゃそーだろ!どんだけ磨いたと思ってんだよ!
それから、こういう鉄の細いフレームを見ると、トラウマ。
青春時代の宝物を失った喪失感につつまれ、いつもせつない気持ちに。
なので、この自転車を手に入れたときは、
思い出を取り戻したような嬉しさでいっぱいでした。
だからでしょうか?
少年時代の自転車によく似た、この自転車に乗ると、
そういう冒険心が、むくむくと湧いてきてしまうのです。
今回の冒険サイクリングを行おうと思った決め手の一つに、
お正月だからというのがあります。
普段は大型トラックやダンプが猛スピードで走る幹線道路が、
唯一、ガラガラになる時期。
しかも夜中だから、第一京浜でさえご覧のようなガラガラ状態。
寒い代わりに、走り放題!
青春18切符ならぬ、青春18気分サイクリング!
18歳の頃の自分に連れられて、一緒に冒険が始まります。
お正月だから、旅のオアシスはマクドナルドとか、
24時間営業のチェーン店だけが頼り。
中学生達が集まって、黙々と携帯ゲームをしています。
本来、こういう冒険旅行って、中学生とかだとドラマになるんでしょうね。
「ねえねえ、自転車で東京湾一周出来るって知ってる?」
「え?自転車で東京湾を一周?」
「アクアラインって自転車で通れたっけ?」「アクアラインは通れないけど、実は他に方法があるんだよ!」
「どうやって?」
「教えろよ」「それは行ってのお楽しみ!」
そんな一言から少年達は旅に出た!
大好きな自転車に乗って。
レンタルDVDについてる予告編に、なんか、こういうの紛れ込んでそうですもんね。
通称、第一京浜こと国道15号は、箱根駅伝のランナー達が駆け抜けた道。
それを1日早く、走り抜けます。
自転車に乗って。
東神奈川をすぎたあたりで、海側に曲がると、
海の向こうに横浜のみなとみらいが見えて来ました。
ベイブリッジも見えます。
みなとみらいは、カウントダウンイベントから帰る人達で、
ごった返していました。
横浜の通過は、3時11分。
寄り道しなければ、もっと早く来れるのだけど、やっぱ写真撮りたいしね。
そして、ライトアップされた赤レンガ倉庫。
「自転車でいる=地元の人」だと思われて、
メッチャ道を聞かれるのだけど、すいません、わかりません。
地元の人じゃないもので。
真っ暗な広場で、寄り添うカップル達にまじって、一人で記念撮影。
みなとみらいを通過したら、どう進めばいいのか
iphoneの自転車ナビタイムというアプリが示したルートを進むと、
メチャメチャ急坂を上る、ヒルクライムコースに。
なんとか降りずに登り切ると、目の前に現れたのは、ドルフィン!
ユーミンの「海を見ていた午後」という歌で
「ソーダ水の中を貨物船が通る」と歌われたお店です。
リアルな若者にはわからない曲だろうけど、
その昔の若者が憧れた曲と、その世界が広がるお店です。
横浜の根岸や磯子を抜けて走っていくと、
「横須賀まで8㎞」の標識が。
そして横須賀港へ。
暗くてよくわからないのですが、
あれはアメリカ海軍のイージス艦と潜水艦ですよね。
たぶん。
普段はステルスなイージス艦ですが、
この日は、マストがhappy new year的なイルミネーションに彩られていました。
そしてやってきたのは、久里浜。
「ほら!あれに乗って向こうに渡ろう!」
18歳の自分が看板を指さし、今の僕に話しかけます。
という訳で、久里浜の東京湾フェリー乗り場へ。
自転車込みで、料金は1020円。
それで房総半島の金谷まで渡る事が出来るのです。
しかも、本来、始発は6時20分なのですが、
この日は初日の出の時間に合わせて、出航を20分遅らせ6時40分発。
ちょうど対岸に着く頃、房総半島の鋸山の上から、
初日の出が姿を現すという事になっているのです。
それまで、しばし、横須賀海軍カリーパンと、カフェラテで腹ごしらえ。
さて、新春・東京湾一周サイクリング、前編の三浦半島編はここまで。
続きは、フェリーの乗って向かう、後編の房総半島編をお楽しみに!