カフェ・テオ(渋谷)

テオ

意外なようだけど、これだけカフェめぐりをしていて、
最寄り駅が渋谷というのは初となります。

どうもチェーン店、企業資本の大箱というカフェが好きではなく、
となると、ちょっと外れた代々木八幡、代々木公園付近とか、
そっちのエリアでカフェめぐり…みたになってしまいます。

とはいえ、円山町界隈では、イベントの仕事やライブがあったりするので、
ちょっと入ってパッと食べる所を押さえておかないとつらい。

そこで今回は、カフェテオへ。
ミニシアターとしては長い歴史を持つユーロスペースが入居する
ビルの1階にあるカフェです。

店内

テーブルのガラスの間には、単館系のチラシがディスプレイ。

ランチ

映画館でも食べられるように…という事か、
テイクアウトも出来るサンドイッチ系が多かったですが、
ライスメニューをチョイス。

週替わりのTHE0飯は、鶏肉と揚げ茄子の香味ダレ。
ドリンクがついて750円というのは、渋谷にしては良心的なお値段では?

待ち合わせ時間まで、時間がなかったので、
サクっと食べてお店を後にしました。

■cafe THEO (カフェ・テオ)
■東京都渋谷区円山町1-5 キノハウス
■営業:10:00~21:00
■定休日:無休
場所はこのへん
お店のfacebook

オーチャードホール

さて、待ち合わせをしていたのは、渋谷bumkamuraオーチャードホール。

チラシ

富田勲×初音ミクがコラボした、
無限大の旅路〜イーハトーヴ交響曲
というコンサートに行ってきました。

昨年オペラシティーで行った時も話題になりましたが、
そのコンサートの再演です。

このプロジェクトのドキュメントも観たのですが、
まだまだ進化の途中のプロジェクト。

プログラミングの初音ミクと、生演奏のオーケストラでは、
途中でテンポがズレてしまいます。
それを同期させる方法を試行錯誤。
最終的には、
「初音ミクの音声をキーボード奏者が鍵盤を弾くことで出す」
という、生演奏スタイルに。

ただ、この日、2階から観たときはキーボードが見えなかったのだけど、
あれからまた方法が改良されたのか?
それとも、たまたまキーボードが見えにくい場所にあったのか?
オペレーションチームが、何かを叩き、リズムを取っていたのは間違いないですが。

素直な感想から言うと、まだ改良の余地はあるかな?という感じ。

初音ミクの低音域は、わりとなじみやすかったと思うのですが、
ウィスパー気味に歌わせる高音域は、不自然なほどの機械音で、
しかもスピーカーが悪いからなのか、シャリシャリ感が。
バックが奥深くて音圧のあるオーケストラなので、
この辺が乖離して聞こえました。

とはいえ、これはまだ大いなる第一歩。
これから、どんどん発展していくでしょう。

御歳80になられてから、初音ミクを使った交響曲を書き下ろした、
富田勲さんのチャレンジには、素直に拍手を贈りたいです。

聴いていると、ステージ奥から広がってくるオーケストラの音に対し、
スピーカーの配置なのか、音色の特性なのか、
初音ミクの声だけ飛び出して、客席上で鳴っている感じがしました。

浮いてしまっているとも言えるのですが、
逆にこの特性を生かし、スクリーンの初音ミクを3Dにし、
メガネをかけながら聴くと、初音ミクだけ、映像も音も、
お客の目の前で歌うという演出も出来るのは?と思ったり。

まだまだ、いろんな可能性があるなと思いました。

あと、デジタルの初音ミクがいる事で、
生オケの東京フィルハーモニー交響楽団と、合唱団の音が
素晴らしく良く、奥深く聞こえました。
初音ミクとのコラボ後の曲、「雨にもまけず」は、
湧き上がるような、ドラマチックさを感じ、鳥肌が立ちました。

なんか、いろんな感覚を刺激されたコンサートでした。

渋谷

その日、渋谷はお祭りでした。
渋谷のスクランブル交差点を、御神輿が渡って行きます。
攻殻機動隊とか、近未来アニメにも登場する渋谷の街並み。
そこに御輿という、逆にシュールな絵柄。
本来であれば、御輿の方が日本的風景なのだけど、
この中では、逆に浮いていました。

そんな風景を観ながら、初音ミクとオケの立場が逆転する日も来るのかな?
なんて、思ったのでした。

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プラトー(池袋)

プラトー

※このお店は1度閉店しましたが、その後、リニューアルオープンしています。

池袋のジュンク堂で本を購入し、裏手のカフェへ。
いつもはamazonなんだけど、すぐに読みたかったので。
…という訳で近所の本屋さんに置いてあるタイプのものではないです。

入り口

この建物、左手の入り口は、カフェ・ポーズ。
そちらでも良かったのですが、右手の階段を上がった所にある
プラトーに行った事がなかったので、こちらをチョイス。

店内

ヴィンテージ雑貨のお店とカフェがミックスされお店。
下のカフェ・ポーズの姉妹店です。

店内

このカウンターの雰囲気は、カフェ・ポーズと共通していたり。

コーヒー

大きなテーブルにはアンティークの顕微鏡なんかも置かれていて、
座っていいものかどうか迷いましたが、
テーブルにメニューが置いてあるので、ここに陣取りました。

珈琲は400円。

静かな環境で、読書するのにはうってつけ。
ジュンク堂帰りに利用する事になりそう。

※リニューアルオープン後、営業時間が変わっています。

■プラトー(plateaux)
■東京都豊島区南池袋 2-14-12 2F
■営業:11:00 ~ 20:00
■定休日:月
場所はこのへん
オフィシャル・ツイッター

本

さて、どうしてもすぐに読みたかった本というのが、こちら。
ネットなどでもダークな漫画として話題になっていた
「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」

このマンガが酷い! 2013 ベスト1決定!!

ミュージシャンを目指して活動するも、
芽が出ないまま35歳になった女が、枕営業の末、
インディーレーベルプロデュースのJ-POPの
ボサノヴァカバーCDのなかの一曲を歌えることになったが……。
いい年して夢を捨てきれず、サブカルにまみれて自意識ばかりが肥大した、
残念な20代、30代男女の肖像をシニカルな筆致で描く連作短編集。
(amazonの紹介文より)

たぶん、この本を読んだ人の感想は大きく分けて3つに分かれるのではないかと思います。

(1)読んでいて「自分もある」「痛い」と思いつつ、苦笑いベースで面白いと思う人
(2)サブカルをバカにすんな…と怒り出し「そもそもサブカルとは…」とか言っちゃう人
(3)絵が汚くて、話しもわからない

つまり、サブカルをかじってると、それが起動装置となって1か2の反応を起こすけど、
サブカルにハマってない人には、(3)のようにピンとこない漫画かもしれない。

僕はどれかというと、(1)でした。

サブカルあるあるネタが満載なので、自分にあてはまる物もいっぱいある。
グサリと来るネタもいっぱある。
だからあてはまるネタは、胸が痛いけれど、
あてはまらないネタは、「いるいる!」と意外と笑い飛ばせたりする。

短編集と書きましたが、その他のタイトルは、

『ダウンタウン以外の芸人を基本認めていないお笑いマニアの楽園』
『空の写真とバンプオブチキンの歌詞ばかりアップするブロガーの恋』
『口の上手い売れっ子ライター/編集者に仕事も女もぜんぶ持ってかれる漫画』
『テレビブロスを読む女の25年』

『ダウンタウン以外の芸人を基本認めていないお笑いマニアの楽園』
これは、うっかり笑いが好きというと
松本人志信者に、お笑い論をぶつけられてからまれるというネタなんだけど、
これなんか
『宮藤官九郎以外の脚本を基本認めていない芝居マニアの楽園』
読みながら、こういう風に脳内変換出来たりするかもしれない。

僕も、うっかり「あまちゃんが好き」と言ったばかりに、
頼んでもいないのに、クドカン論を延々と聞かされるハメになった事がある。
サブカルじゃなくても、野球でもサッカーでも、あてはまる物いっぱいあるでしょ。
『送りバント以外の作戦を基本認めていない手堅い野球マニアの楽園』
とか。

もちろん、僕も、自転車とかカフェとかアイドルの話題とか
頼んでもいないのに、能書き語る側がにまわっている事も、随分ある。
この方程式に何を当てはめたら一番わかりやすく「あるある」と思われるか?
そこで作者は「ダウンタウン」を選んだという事だと思う。

後書きには、

「リアリティーとしてのキーワード、作中のディティールという目的以外には、
特定の何かを貶めようとか、バカにしようといった意識では書いておりません」

とあるけど、レビューでは「いやバカにしてる」「してない」と論争になってたり。

いや、そこじゃないでしょ。重要な所は。
どっちにしろ、創作物に対する感想なんて、賛成反対あるわけだし、
そこは、どっちだっていい。

それよりも、そういう賛否両論で論戦して熱くなるサブカル厨は、
前に書いた、サブカルにはまった事のない(3)のタイプから観ると、
(1)も(2)も、キモヲタ一括りだ。

サブカルもヲタクも一緒にするなと言いたいと思うけど、
関係ない人からすると、どっちも同じに見えるという話し。
そういう風にみえる事もありますよ!という視点で書いたのがこの漫画だ。

魚がそんなに好きじゃないと、
全く違う魚なのに、カレイもヒラメも見分けられないとか。
んーこの例えは違うか。

作者も後書きで書いているけど、登場人物のサブカル厨は

「そういう生き方もあるし、こういう見え方もある」

と、言っています。
本来(1)か(2)の作者が、
(3)寄りの視点で自虐的に書いたのが面白いのだと思いました。

この本を読んだあと、怒りに満ちた(2)のタイプの読者は、
自分たちを正当化するために、さらにこじれた文章を書き、
サブカルのスパイラルに巻き込まれていっているように見えます。

この本を読んだあと、引いた(3)の視点に立つと
ネット上の熱い論戦が、どんどん滑稽に見えてきます。
そして、面白さがジワジワ後を引くんですよね。
いやー、面白かった。

(注)これは、僕にとって…という話しの感想ね。
忘れて欲しくないけど、これは個人の感想を綴っているブログであって、
何かのオフィシャルレビューのようなサイトでありません。

もちろん、違う感想を持つ人もいて当然と思っていますし、
それを否定する物でもありません。

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