人が癒やされたり、回復する場所をパワースポットと呼びます。
それは通常、水しぶきがあがる滝があったり、霊気を放つような巨石があったり、自然の中の場所を指すことが多いのですが、神社など信仰の対象となる場所も、そう呼ばれたりします。
僕は美術館も、その一つなんじゃないかと思うのです。上井草にある「ちひろ美術館」に来ると、なんだか癒やされるのです。
今年は、いわさきちひろ生誕100年という事で、期間を変えて、様々なアーティストとのコラボ展示が行われているのですが、
こちらは映像アートのplaplaxとのコラボで「あそぶ」。
「いわさきちひろ」の作品は撮影禁止なのですが、コラボの映像は、カメラOKマークがあり、撮影可。
ちひろの作品が映し出されるプロジェクターの前に立つと、自分の影が、その中に投影され、作品の中に入る事が出来るのです。子供と一緒に映し出されている白い大人は、カメラを構えた僕。ボクと書くと、でんぱ組.incだった、最上もがさんぽくて違和感。最初から自分って書けば良かった。
こちらは、画材道具に手で触れると、色が広がるという作品。
この絵の具も天井からのプロジェクションマッピングで、パレットを触ると、このように絵の具が浮き出して来ます。
こちらの小さなパレットからは、子供の姿が浮き出してきました。
手で触れて遊ぶうちに、いつしか童心に戻り、そんな気持ちで、子供達の絵を見るという仕掛け。いろんな絵が浮き出し、次は何だろう?と触っているうちに、無心というか、雑念が消えて、自分で言うのもなんですが、ピュアな気持ちになっていきます。
穏やかな気持ちになって、館内を回っていると、特別展示で、ちひろの絵の描かれた遊具があり、子供達が遊んでいました。
すると、3才ぐらいの男の子を連れたママに、写真を撮って欲しいとお願いされたのです。
そこで、黄色の部分の壁側に、親子を座らせて、絵の中に溶け込むように、写真を撮りました。
「これでどうでしょう?」と確認してもらうと、「わー!素敵!」と、凄い喜んでくれたのです。なんか、いいことした気がして、こちらまでいい気分に。やはり、ちひろ美術館は、癒やされパワースポットなんだなあ。
この体験があったから、海浜幕張からの仕事帰り、京葉線に舞浜から乗ってきたTDL帰りの親子、遊び疲れてグッタリしている子供をだっこしたお父さんに、席を譲ったら、メチャメチャ感謝されました。
こういう事を照れずにすんなり出来るスイッチを、ここで入れてもらっていたんだと思います。
実は、この美術館で一番好きなのは2階にある図書室です。
来館した方がノートに思いを綴った「ひとこと ふたこと みこと」というノートがあります。大学ノートを辞書風のバインダーでまとめた物なのですが、多くの人が、何かに迷ったり、上手く行かない時、ここに来ると、リセットされるという事を書いています。
今回目に止まったのは、女子大生と思われる方の書き込み。
最近、ずーっと疲れてて、バイトとか学校で色々あって、人のことを思う優しさなんて、忘れてしまって自分本位になって、やさしくなれたらいいけど、そんな事出来そうにもない。
だけど、ここに来るたびに思う事は、明日の朝、目が覚めたら、笑ってみんなに「おはよう」って挨拶が出来そうだって事。そして、今なら、大好きなあの人の結婚を祝福できそう。
ちひろさんの絵って不思議ですね。
前回来た時に見つけたのは、こんな書き込み。
みんなが優しい気持ちになって帰って行きます。
館内にある、えほんカフェでお茶をしながら、さらにまったりと。
いちごのババロアと、ドリンクセットで、780円。
ちひろが大好きだった「新宿 すずや」のいちごのババロアを、60年前のレシピをもとに「上井草カランドリエ」のパティシエ指田さんが再現したメニューです。
■ちひろ美術館・えほんカフェ
■東京都練馬区下石神井4-7-2
■営業:
9:00~17:00(美術館)
10:30~17:00(カフェ)
■休館日:月曜
■入場料:
大人800円、
高校生以下無料
■場所はこのへん
■公式サイト