よく初心者がおかす間違いの一つに、寒いのでユニクロのヒートテック着て、サイクリングに出かけた。…という物があります。
近所のスーパーへ自転車でなら、間違いではありません。ある程度の距離を乗る「サイクリング」では、ユニクロのヒートテックは厳禁です。
初心者の方に
「冬は中にヒートテック着るんですか?」
と聞かれたので、ハッとしました。たぶん、そういう誤解をしている人多いんじゃないかと。特に弱虫ペダルなんかから自転車を始めた人は、初めて迎える冬でしょうから、こういう間違いを犯す人も多いかと思います。
コレ、冬の登山なんかの時にも、必ず初心者に注意する項目なんですが、
「ユニクロのヒートテックは、速乾性がないからダメ」
あくまでも運動する時という視点ですよ。
登山ガイドが、ヒートテックはやめた方がいいというブログを書き、そこから、アウトドア派の人達にヒートテックはアウトドアに向かないという説が広まりました。
ユニクロのヒートテックは、レーヨンを多めに使っているのですが、レーヨンは発汗が大量だと「吸水率が飽和」してしまう傾向にあります。そして「乾くのが遅い」という特性があります。登山の場合は、頂上で休んだり下山の時に、濡れた状態になっている事が多い為に、汗冷えを起こして、逆に体を冷やしてしまいます。
ちなみに、富士登山で4回、初心者を連れて登っているのですが、夏の場合は、コットンのTシャツとジーンズ禁止。これも同様に、登っている時に汗をかいてしまい、乾かないので、冷えてしまうからです。夏でも富士山の山頂の朝は、冬なみの気候なんです。
厳冬の冬山登山では命にかかわるのでヒートテック禁止が常識です。
ところが、エベレストを登頂した南谷真鈴さんがヒートテックを着ていた事を明かし、ユニクロのアンバサダーに就任したという発表がなされ、ユニクロも大々的に宣伝に活用しました。
僕も「ええええ?」と思いました。ヒートテックの速乾性って改良されたの?と色々調べてみたら…。
南谷真鈴さんのfacebookにも質問があり、南谷さんは、ヒートテックの下に、ミレーの「ドライナミックメッシュ」を着ている事を明かしています。やっぱり直にヒートテックじゃ、汗冷えしちゃうんだ…。これ着るんだったら、raphaの夏用ベースレイヤーも使えるな!と思ったのですが、そこまで手間かけて、ヒートテック着る必要もないと思います。
自転車も、最初の漕ぎ出しぐらいは、じんわりと汗をかくので熱いくらいなんですが「乾くのが遅い」という特性がある為に、汗をかきすぎると、濡れたままの状態が続き、汗冷えを起こし、結果、体が冷えるという現象を起こします。特に、ペダルを漕がない下りが続くと確実に汗冷えします。
なので、自転車に限らず、山岳、ウインタースポーツに使うスポーツメーカーが開発している発熱アンダーウエアは、必ず、吸着熱の他に、速乾性を備えた物となっています。
こちらは、自転車ウエアでお馴染みのパールイズミ。水分を吸収して発熱、熱を保温して持続させる素材「コンフォヒート」を採用。吸汗速乾機能で汗を瞬時に吸ってすぐに乾かすので、ムレや汗冷えもしにくくドライな着心地を保ちます。
ミズノが出しているのがブレスサーモ。伸縮性も高く、袖の長さもシャツの袖から見えない常識的な長さ。もちろん発熱防寒性能もバッチリです。
登山に強いモンベルが出しているのがジオライン。
これらは速乾性も兼ねているので、もし冬のちょとしたサイクリングに出かけるつもりがあるなら、ユニクロのヒートテックではなく、これらのスポーツ用のアンダーを1枚持っていた方がいいと思います。
あと良く勘違いしがちなのが、アンダーアーマー。コールドギアが「冬用」ヒートギアは、「夏用」なので、パッと見で勘違いしないように。
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