どんぐりの木(中村橋)

美術館

練馬区に長いこと住みながら、そういえば練馬区立美術館に行った事がない。
中村橋も良く通るし、場所も知っていたのだけど、入った事はありません。
という訳で行ってみる事にしました。

今は、ちょうど練馬区在住の木工芸作家で、
重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された大坂弘道さんの
展覧会が開かれていました。
有料の時は入館料500円なのですが、今回の展覧会は無料。

木工芸家として人間国宝。
東大寺正倉院に納められている宝物を復元模造した事で有名に。

「紫檀木画箱(したんもくがはこ)」の模造には
7年の歳月をかけているのだけど、
最初の5年間は、宝物を再現するのに必要な材料の調査にかけたといいます。
そして復元する上で当時の技法を再現し蘇らせたのだそうです。

やってみて、当時の技術の凄さがわかるって事あるんですよね。

美術館

その他の展示室は、練馬区の小中学生による書き初めの展示がありました。
子供らしい個性豊かな文字が並ぶ中で、
ある中学のコーナーで足が止まりました。

見事に全員が同じ文字なのです。
トメ、ハネ、かすれ具合、どれも同じで、
まるでフォントをコピペしたかのよう。

書道という物を知らないので、素人の勝手な感想なのですが、
先生がお手本を見せて、この通りに書けと指導したんじゃないかな。
でなければ、見事にここまで同じにはならないでしょう。
文字は美しい事は美しいのですが、
書いた人の感情の無さというか、
サイボーグ的な物を感じてしまって、少し気持ち悪くなってしまいました。

その人の持つ個性ではなく、コピー技術を競っているようでイヤだったのですが
書道ってそういう側面もあるんですかね?

看板

練馬区美術館には喫茶コーナーもあったので、
そこでお茶使用かと思ったのですが、
同じく中村橋にある「どんぐりの木」というお店のケーキを使っているというので
どうせなら本店に行ってみる事にしました。

どんぐりの木

どんぐりの木は、中村橋駅前の商店街の中にあります。

ティーストレーナー

200円以上のケーキを注文すると、420円で好きなドリンクをセットに出来るので
僕は紅茶をチョイス。
ポットで提供されます。
このようにティーストレーナーをカップにかけて、
茶葉をこしながら注いでいきます。

シュークリーム

シュークリームは、6種類のお野菜シュークリーム。
重ね煮された野菜の粒が、生クリームの中に。
安心して食べられるお菓子作りにこだわっているお店なので、
素材から出た甘みを生かした、やさしい味がします。

■どんぐりの木
■東京都練馬区貫井2-2-7
■営業:11:00~19:00
■定休日:月曜日
場所はこのへん
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ちひろ美術館・えほんカフェ(上井草)

看板

上井草の帰り道、こんな看板が目に飛び込んで来た。
へー、こんな所に「ちひろ美術館」あるんだ。
画家であり、絵本作家の「いわさきちひろ」の美術館。

道

ホントにこんな、畑の中に?
…と、半信半疑で矢印にしたがって進むと!

ちひろ美術館

お!ありました!結構立派じゃないですか。
こちらは、いわさきちひろの自宅だった場所に建てられた個人美術館です。
だから、住宅街の中にあるんですね。

意外と言ったら失礼かもしれないけど、結構、にぎわってました。

フライヤー

さて、美術館の中での撮影は出来ないので、
フライヤーで勘弁して貰いましょう。
よく知らない人でも、絵ぐらいはなんとなく見たことがあるでしょ。

実は僕もそんな詳しいほうじゃなかったのだけど、
観ているうちに、どんどん引き込まれていきました。

子供達の純粋さを描いた作品が多いから、
なんだかピュアな刺激を受けるのだけど、
それと同時に、鈍い痛みも感じてきます。

絵をみるときって自分の精神状態が影響します。

優しいタッチが、優しすぎる。
自分がささくれているからか、
隣に純なものを並べられると、
自分ががどれぐらい薄汚れているのか思い知らされます。

白いTシャツを着ているつもりだったのに、
真っ白な壁の前に立ったら、黄ばんでいるのがわかった…みたいな。
そんな自分に気づいて、心にズキンと鈍い痛みが…。

でもね、観ているうちに浄化されていく感じもあります。
なんだか、心がだんだん穏やかになっていきます。

彼女の手法の一つに、背景を色づけして、
真っ白な人間を浮き出させる…というのがあるけれど、
それが純粋さを描くのに効果的だったりもします。
その色がついていない人を見ているウチに、
こっちも邪念が消えて、無になっていくみたいな。

えほんカフェ

館内にはカフェもあります。
そして天気のいい日は中庭に面したテラスも使えます。

シフォンケーキ

こちらは写真を撮ってもいいという事だったので、
シフォンケーキ500円と、カプチーノ450円の写真を。
セットにすると、100円引きなので、850円。

小春日和で、心が穏やかになった後だから、
時間を気にせず、まったり。
いいね!
普段、ギスギスしすぎなんだよ。
きっと。

最後に、この美術館でちょっとオススメの場所を!

2階の離れの奥に、図書館があります。
ここには沢山の絵本があって、それを読むことが出来るのですが、
その本棚の一角に、百科事典のような装丁の
「ひとこと、ふたこと、みこと」という本がズラリと並んでいます。
実はコレ、本ではなく来館者の感想ノートをまとめたもの。

これが凄くいい!

心の迷いをピュアな絵に救いを求めるのか、
何かに迷っている人が、今の気持ちを正直に綴っています。
ツイッターもブログも無い時代のものもあり、
簡単に吐き出す方法がなかった時代、
自分の心の中に溜め込んでいたものを、
一生懸命、でも少しずつゆっくりと、ノートに綴っているのです。

読み進めると、
「学校をサボってここに来ました」
「雨が降っています。とても静かです」
というような出だしが多く、
一人で、心の整理をするために、
ここのノートに向き合っている人が多い気がしました。

その中で、ちょっとグっと来る物があったので、
覚えている限り、再現してみたいと思います。
たぶん、言葉は違うかもしれないけど、だいたいこんな内容。

5月8日、水、はれ

おひさしぶりです。
実は今日、学校をサボって来てしまいました。
うまくかけないけど、私は今、変化しています。

こんな書き出して始まっていました。
彼女は中学を卒業してから、環境の変化について行けず、
引っ越しもしてしまったので、友達もいなく、孤独を抱えていました。
それで楽しかった中学の時のことばかりを思い出す、
ひとりぼっちの日々が続いていました。

そんな自分を変えようと、
フォークソング部に入り、明るく振る舞うのだけど、
それは本来の自分じゃないから、とっても疲れてしまい、
ある日、倒れてしまった事も。

だけど、フォークソング部で先輩のライブのお手伝いをしていて、
その熱気で、自分がやりたい事がみつかった。
やっと自分が見えた。
…みたいな内容が、一気に綴られていました。

そして、次のページに、もう一つ彼女の書き込みが。

5月8日、水、はれ

さっき書いたときは、ずいぶんと興奮しすぎていました。
やっぱり今日、学校をサボってきたかいがありました。

私は、いつも自分を見失いかけている時に、
ここに来て、何かを見つけ、自分をとりもどせるのです。

今日は、やっと自分を見つけた事を、報告に来ました。
いつもは、失った何かをみつけられるから、
今日は、逆に、自分を見失ってしまうのではないかと、少しおびえてもいました。

でも、やっぱりここは落ち着かせてくれます。

どうもありがとう。
私、現在、とっても幸せです。

これ、今から約30年前の女子高生が書いた、書き込み。
いつの時代も変わりないんだね。

もし、心に何かモヤモヤを抱えていたり、
なにかがわからなくなっている人がいたら、
ここに来てみるといいかもしれない。

みんなが心を落ち着かせて書いた、おだやかな文章に触れているうちに、
自分の心の中がスーッとしていくのが感じられると思います。

■ちひろ美術館・えほんカフェ
■東京都練馬区下石神井4-7-2
■営業:
9:00~17:00(美術館)
10:30~17:00(カフェ)
■休館日:月曜
■入場料:
大人800円、
高校生以下無料
場所はこのへん
公式サイト

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